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まち見聞記

鶴ヶ城、白虎隊、新島八重。名物・郷土料理もおいしい会津若松を堪能! イメージ

2015年9月 更新

会津藩の城下町を歩く歴史散策

鶴ヶ城、白虎隊、新島八重。
名物・郷土料理もおいしい会津若松を堪能!

飯盛山(白虎隊自刃の地)・会津武家屋敷・鶴ヶ城・鶴井筒・渋川問屋・シルクロード文明館
福島県会津若松市/最寄り駅:会津鉄道会津若松駅

戊辰戦争では賊軍とされ、たくさんの悲しい逸話が残る会津藩。会津若松市には多くのの名所・旧跡が残されている。幕末を中心にちょっとだけ勉強しながら市内をトレッキング。会津のおいしい郷土料理は明治時代に建設された重厚な建物でいただいちゃおう。

浅草駅から特急スペーシアに乗り鬼怒川温泉駅へ。そこからは東武鬼怒川線と野岩鉄道会津鬼怒川線を経て会津鉄道へ。やがて福島県の会津若松駅へ到着する。
会津といえば幕末時代、薩摩藩と長州藩が錦の御旗を掲げた新政府軍となって攻め込み、旧幕府軍として敵視された会津藩が戦いを繰り広げた戊辰戦争で知られている。
明治時代には上洛して波乱に満ちた人生を歩んだ新島八重も会津出身。ドラマ「八重の桜」ですっかり認知度が上がった。彼女も戊辰戦争で男勝りの活躍をした。

今回は幕末を中心とした歴史の痕跡をたどりながらトレッキングをして、名所・旧跡を巡ってみよう。
会津若松駅前にはバス乗り場があり、ここから「まちなか周遊バス」が出ている。右回りと左回りの「あかべぇ」と「ハイカラさん」だ。1回乗車は210円で、500円の1日フリー乗車券にはさまざまな施設の割引も付いている。疲れたらバスを上手に使って休憩しながらまわるのもひとつの手だ。
まずは会津若松駅からまっすぐ伸びる国道118号線をひたすら歩いて飯盛山へと向かおう。その名のとおり飯を盛ったようなこんもりした形の、標高314mの山が見えてくる。
16〜17歳の少年たちで組織された白虎隊の志士たちが戊辰戦争で前線へ投入されたが、敗走を余儀なくされここまで戻り、自らの命を絶った地である。

飯盛山、参道。先には長い階段が山へと登っている

飯盛山、参道。先には長い階段が山へと登っている

動く坂道。有料

動く坂道。有料

階段の上から見たらこんな感じ

階段の上から見たらこんな感じ

「白虎隊記念館」

「白虎隊記念館」

「白虎隊記念館」の横に「戸ノ口原十六橋」の石材などが置かれている

「白虎隊記念館」の横に「戸ノ口原十六橋」の石材などが置かれている

「厳島神社」

「厳島神社」

「モンテローザ」のパスタ

「さざえ堂」。入るのは有料

白虎隊が腰まで水に浸かって通った洞穴と
世界でも珍しい建築方式のさざえ堂を見る

新政府軍の侵攻を防ぐために、「戸ノ口原の十六橋を破壊せよ」との命を受け、その地で激しい戦いとなった若き志士たちだったが、力およばず、道なき道を戻ることとなった。
腰まで水に浸かりながら戸ノ口堰洞穴を通って飯盛山へと入っていった慚愧の念に堪えなかった志士たちの、自刃の地へと向かおう。

飯盛山の麓には参道の左右にお土産やソースカツなどを売る店が連なっている。その先には約200段の石段が伸びていた。
その高さを見てちょっとクラッとする。
さらにスピーカーから、「階段を昇るのは本当に大変ですよ」という声が聞こえてきた。何かと思ったら、横に有料の動く坂道があり、そちらをオススメしている音声ガイドだった。
「いやいや、白虎隊士の気持ちになって山を登るのだ」と階段を昇ろうとしたら、左手に「白虎隊記念館」があり、近くに案内図がある。見ると「らくな参拝順路」が書かれていた。駅からここまで歩いて約30分。
即、そちらの順路で行くことに決定。

「白虎隊記念館」は、1956年(昭和31年)に創立された。白虎隊をはじめとした戊辰戦争に関する史料(遺品や写真)などを収蔵・展示している。アニメによる白虎隊の解説なども観られるので、よく知らない人はここで学んでから登るのもいいだろう。
そこから隊士たちが出発した滝沢本陣近くを通って厳島神社のほうへ上がる。
そこには戸ノ口堰の碑があり、白虎隊士が通ったといわれる洞穴を見ることができる。
農業用水で現在でも水が流れているのだが、とても人が通るとは思えないような洞穴。早くも隊士の苦労と心情を思い涙が出そうだ。

階段を昇ると、「旧正宗寺三匝堂(きゅうしょうそうじさんそうどう)」がある。通称「さざえ堂」だ。六角形の建物で、正面から入ると螺旋状のスロープを登るようになっている。頂上まで行くと下りのスロープになり、誰ともすれ違うことなく外へ出られる。ほかに類を見ない二重螺旋のスロープは、仏堂建築のみならず世界でも珍しい構造だという。スロープの内側に三十三観音像が祀られていた、江戸時代に庶民がすぐに巡礼できる建物であったという。

白虎隊士の墓にお参りしたら、
自刃の地から鶴ヶ城を眺めよう

「さざえ堂」を出てスロープと階段を登っていくと、広場に出る。左手の奥にあるのが、自刃白虎隊十九士の墓だ。横にはそのほかの戦死白虎隊三十一士の墓もある。
静かに手を合わせよう。

墓の反対側には、下りの階段がある。順路どおりに歩くと最初に、自刃した隊士のなかでただひとり命をとりとめた飯沼貞吉の墓がある。白虎隊の悲劇の詳細が語り継がれるようになったのは、彼が後年苦い記憶を呼び起こし、ポツリポツリと語ってくれたことによるものだという。
その先に白虎隊自刃の地がある。
そこで黒煙を上げる城下町を見て、「城が落ちた」と思った若き隊士たちは自刃を決意。激しい雨のなか、腹を切る者、刺し違える者、喉にあてた銃の引き金を足指で引く者など、地獄のような光景が繰り広げられた。山から流れる雨水が赤く染まっていたともいわれている。
あまりにも悲しい逸話だ。

そこから確かに鶴ヶ城は見える。現在はまわりの建物も高くなっていて判別しづらいが、当時はひと際大きく見えていたのだろう。

ゆっくりまわって、約60分で飯盛山下に戻ってきた。

白虎隊士たちの墓

白虎隊士たちの墓

白虎隊士自刃の地から市街地(城下町)を見下ろせる。鶴ヶ城も確認できる

白虎隊士自刃の地から市街地(城下町)を見下ろせる。鶴ヶ城も確認できる

「会津武家屋敷」

「会津武家屋敷」

姿三四郎のモデルになったとされる西郷四郎の像

姿三四郎のモデルになったとされる西郷四郎の像

「会津歴史資料館」

「会津歴史資料館」

土産物売り場では会津の地酒「会津中将」も買える

土産物売り場では会津の地酒「会津中将」も買える

家老屋敷を見て当時の生活を知り、
歴史館であらためて歴史を学ぼう

飯盛山下から約2.5km、徒歩で40分ほどの「会津武家屋敷」へ向かおう。

ここは会津藩家老の西郷頼母邸を復元させたものをメインに、藩米精米所や幕末の京都見廻組与頭として京都警護に尽力した佐々木只三郎の墓、県指定重要文化財の旧中畑陣屋、さまざまな展示物で会津の歴史を知ることができる「会津くらしの歴史館」、美術館、体験館、土産物屋、レストランなどがある。
家老屋敷では蝋人形で当時の様子を再現しており、西郷家の女性たちが戊辰戦争のときに自刃した場もある。
ちなみに西郷頼母の妻である千恵子は、飯盛山に墓があった白虎隊で一命をとりとめた飯沼貞吉の叔母にあたる。
死を選ぶことしかできなかった戦争は、いつの時代も悲惨さしか感じられないものである。

ひとつだけ注意したいのは、一部「順路」がわかりづらいところがある点だ。特に、入口近くにある旧中畑陣屋は家老屋敷をひと回りしてから見るように。案内図を見ておくことをオススメする。

展示施設を見終わったところに土産物屋と食事処がある。ここで昼食をとってもいいだろう。

明治時代に建てられた豪壮な建物で
郷土料理をいただく。「渋川問屋」と「鶴井筒」

会津には名物のソースカツ丼や鯉のうま煮、わっぱ飯など、おいしいものがたくさんある。だが、それらはまた別の機会にしておこう。「電車で会津の旅 グルメ」でも紹介しているので、ぜひ検討してみて。

「会津武家屋敷」以外で昼食をとるなら、歴史散策トレッキングにふさわしい場所を選んでみてはどうだろう。2カ所紹介しよう。

「会津武家屋敷」から東山温泉方面へ1分ほど歩いたところにあるのが「鶴井筒」。食事ができる、もと大地主の豪邸だ。
かつて会津の霊峰である飯豊山麓の大地主だった佐藤家の邸宅であるこの「鶴井筒」は、明治30年代の建築物で、ケヤキの太い梁や大黒柱、工夫を凝らした格子戸など、見ているだけで十分に楽しめる。しかもそこで会津の郷土料理をいただくことができるのだ。
メニューは、会津名物山菜そば、喜多方ラーメン、棒タラ煮、ニシンの山椒漬、会津田楽などがある。お腹がペコペコになっていたら、いろいろセットになった定食がいいだろう。


七日町通りにあるのが、「渋川問屋」。まちなか周遊バスのあかべぇ・ハイカラさんの停留所もすぐ近くにある。
その名のとおり、かつては海産物問屋で、ニシンやタラの干物など会津の郷土料理になくてはならない海産物を一手に扱っていた。蔵などがそのまま残されている明治から大正時代の重厚感たっぷりの建物で、郷土料理をゆっくりいただくことができる。
祭り御膳(鶴)は、食前酒と先付からはじまり、棒たら煮、にしんの山椒漬、にしんの昆布巻、こづゆ、にしんの天ぷら、そば粒がゆ、季節の混ぜごはん、水菓子というもっともスタンダードな会津郷土料理のコース。
大店らしい大きな囲炉裏のある座敷席と洋風テーブル席、蔵座敷のなかにある座敷椅子席などがある。ほかに広間などもあり、団体客への対応もしている。
また、昼食をとりながら東山芸妓「からり妓さん」を楽しむこともできる。こちらは要予約。宴会場などの団体さんからのオーダーが多い。さすがにひとりで頼む人はいないね。
別館は宿泊施設になっており、和洋室3室で贅沢な時間が過ごせそう。
天井、壁、床、看板など、すべてのものに見る価値がありそうな大商家。食事もスタッフの対応も、いまだに一流を感じさせてくれる。

「鶴井筒」。立派な建物

「鶴井筒」。立派な建物

「鶴井筒」の山菜そば

「鶴井筒」の山菜そば

「渋川問屋」。食事は11時から21時まで。予約は必要ないが、人数が多い場合は事前に電話をしておくと親切かも

「渋川問屋」。食事は11時から21時まで。予約は必要ないが、人数が多い場合は事前に電話をしておくと親切かも

「渋川問屋」別館。問屋時代の名残である蔵の作りはそのまま。内観はみどころ写真参照

「渋川問屋」別館。問屋時代の名残である蔵の作りはそのまま。内観はみどころ写真参照

「渋川問屋」の祭り御膳(鶴)。2200円。ワインは別注。それぞれの料理はみどころ写真参照

「渋川問屋」の祭り御膳(鶴)。2200円。ワインは別注。それぞれの料理はみどころ写真参照

鶴ヶ城。赤瓦が美しい

鶴ヶ城。赤瓦が美しい

「シルクロード文明館」

「シルクロード文明館」

鶴ヶ城北出丸の交差点にある「会津葵本店」

鶴ヶ城北出丸の交差点にある「会津葵本店」

鶴ヶ城の美しさと迫力を感じたら
会津+南蛮文化のお土産を買って帰ろう

歴史散策トレッキングの締めは、やはり鶴ヶ城だろう。
「会津武家屋敷」からは約2.8km。バスでは鶴ヶ城入口バス停で降りるのが近い。
天守閣へ昇る途中にはさまざまな展示物があり、会津の歴史と暮らしを知ることができる。


お堀沿いにある「シルクロード文明館」は「上菓子司 会津葵」の支店で、カフェも併設している。3階にはシルクロード文化のさまざまな美術品が展示されている。
会津と南蛮文化は決して無関係ではなく、キリシタン大名の蒲生氏郷や長崎で会津人参の貿易を一手に引き受けていた豪商の足立仁十郎によって、さまざまな文物が会津へと持ち込まれていた。
そんな南蛮文化を採り入れたきめ細かいカステラに秘伝の餡を挟み込んだ「かすてあん会津葵」は和洋が融合したような銘菓。ふんわりと優しい食感のカステラが独特な甘さの餡といいハーモニーを生み出している。
喫茶ではドリンクとセットで食べられる。会津若松をあとにする前にここでリフレッシュしていこう。
お土産を買うなら鶴ヶ城北出丸交差点にある「会津葵本店」もオススメ。こちらは喫茶はないが、お菓子の種類や5個入りや10個入り、12個入りなど、パッケージの種類が豊富だ。
写真・文/猫拾 ブミ

見どころを写真で紹介

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