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「小江戸川越」をめぐってタイムスリップ イメージ

2011年10月 更新

行くところ見るところ、重要文化財がたくさん

「小江戸川越」をめぐってタイムスリップ

喜多院・川越城本丸御殿・菓子屋横丁・蔵造りの町並み
埼玉県川越市/最寄り駅:東武東上線 川越駅

江戸の城、明治の建築物、大正の町並み、昭和の心がそれぞれ融け合い、良い部分を遺しながら再建して作られた「小江戸川越」。ブラブラ歩いていると、身体の疲れを忘れ、心が安らいでくる不思議な町だ。

池袋から急行で約30分という短時間で着ける
お城の本丸がある観光地、川越。

徳川家ゆかりの町として貴重な建築物なども遺されており、川越藩の城下町として栄えた街は、「小江戸川越」と呼ばれ親しまれている。
今回は池袋駅で「小江戸川越クーポン」を購入、利用してみた。これは発駅と川越駅の往復きっぷに、東武バスの1日乗り放題(指定区間内)や協賛店でのサービスが受けられるなど、特典が満載のクーポン。小江戸川越のあちらこちらをまわろうと考えている人にはまさにうってつけだ。
川越駅の改札を抜けると、すぐ左手に観光案内所があるので、マップなどはここで入手していける。東口を出ると、各バス停へ降りる階段がある。市街にある名所を巡回している、その名も「小江戸名所めぐり」というバスが出ているのでそれに乗った。10分弱で着く最初のバス停「喜多院前」で降車。降車時にクーポンの帰りのきっぷを見せるだけでOK。便利だ。

「喜多院」の「山門」。1632年建立。喜多院の中で最も古い建造物。バス停「喜多院前」で降りると、そのままここから入ることになる

「喜多院」の「山門」。1632年建立。喜多院の中で最も古い建造物。バス停「喜多院前」で降りると、そのままここから入ることになる

「喜多院」の「五百羅漢」。日本三大羅漢のひとつ。笑い、泣き、怒り、くつろぎ、内緒話をし・・・・・・とさまざま。深夜、羅漢像の頭をなでると、ひとつだけ温かいものがあり、それは亡くなった親の顔に似ているという言い伝えもある。深夜・・・・・・来られるかな、ここ

「喜多院」の「五百羅漢」。日本三大羅漢のひとつ。笑い、泣き、怒り、くつろぎ、内緒話をし・・・・・・とさまざま。深夜、羅漢像の頭をなでると、ひとつだけ温かいものがあり、それは亡くなった親の顔に似ているという言い伝えもある。深夜・・・・・・来られるかな、ここ

538体の石像はすべて異なる表情と姿勢。

「喜多院」の正式名称は「星野山無量寿寺喜多院」で、天海僧正が住職を務めた寺だ。その時代に三代将軍徳川家光誕生の間「客殿」や春日局の化粧の間「書院」などが江戸城から移築されている。近くには、日本三大東照宮のひとつである仙波東照宮もある。また、ここ小江戸川越市街には七福神が祀られている。喜多院には「大黒天」が安置されていた。拝観料を払い客殿や書院を見学、その拝観料で境内にある五百羅漢像も見ることができる。538体の石像はすべて異なる表情と姿勢をしており、ずらりと鎮座する様は圧巻だ。つい自分に似た石像を探してしまった。きっと誰もがそうしてしまうであろう。しかし目につくのは、「ああ、こんな顔の人いるいる」という味のある顔ばかりだった。
喜多院には、「山門」「多宝塔」「慈眼堂」「慈恵堂」など重要文化財がたくさんあり、周りには、「中院」「日枝神社」などがある。北側の喜多院入口の方へ出ると、「成田山川越別院」がある。ここは毎月蚤の市で賑わい、七福神の「恵比寿天」が安置されている。

「成田山前」でバスに乗った。この小江戸めぐりバス、土日祝日は1時間に2?4本運行しているので、名所を見て回って次のバスに乗って移動ということができる。ただ、平日は1時間に1本ずつの運行なので、少し歩いて東武路線バスに乗って目的地の近くまで移動するのがいいだろう。

バスは県立川越高校の横を通った。ここは男子シンクロナイズドスイミングを描いた青春コメディ映画「ウォーターボーイズ」のもととなった学校だ。学校は車窓から見るだけにして、「博物館前」停留所で降車。博物館へ行く前に「川越城本丸御殿」へ入った。

1457年に上杉持朝が家臣の太田道真、
道灌の父子に命じて築城。

徳川家康が江戸城に入ってからは北を守る重要な拠点となっていた。1600年代には川越藩主のもと、城も拡張され大規模な城郭となった。玄関や広間など、本丸御殿が現存するのは高知城とこの川越城だけ。非常に貴重な遺構だ。
このような城跡などを見るときに、「まず見てみよう」とスタスタまわってしまうきらいがあるのだが、その後パンフレットを見て、「え!? あそこはそういうことだったのか」と戻ったりすることが多々ある。入口に置いてあるパンフレットなどを見ながらまわる癖をつけたいと思う。そういう見方をオススメする。
テレビドラマ「JIN?仁?」では実際にこの本丸御殿で撮影が行われたらしい。

「川越城本丸御殿」の向かいには、天神様と呼ばれる「三芳野神社」がある。江戸時代はここも城の敷地内であり、庶民はお参りをすることが容易ではなかったことから、童謡「とおりゃんせ」が生まれたといわれている。参道を出て右へ行くと「富士見櫓跡」がある。富士山さえ見渡せたという櫓へ登ってみるが、今は昔・・・・・・生い茂った木々と周りの建物で遠くまで見渡すことはできなかった。


バス停近くに戻り、「川越市立博物館」に入った。城下町として発展し、貴重な文化遺産が数多く残る川越の資料を歴史と系統別に展示している。博物館というのは、貴重な出土品をただただ並べたり、妙に“お勉強”的な雰囲気を漂わせたりするところがたまにある。しかし、ここは違った。大小さまざまな模型やわかりやすい説明書きで、じっくり見られた。平日1日2回、土日1日4回、無料の解説員が案内をしてくれる。詳しくは博物館へ。

「川越城本丸御殿」イメージ

「川越城本丸御殿」。入館料は一般100円。「川越市立博物館」(一般200円)と「川越市蔵造り資料館」(一般100円)との共通入館券は一般300円とお得

「蔵造りの町並み」にある「陶舗やまわ」。重厚な建築物はロケに使用されたというのも大いに頷ける。この蔵造りの町並みは、電線の地中埋設工事がされているので、景観がすっきり。全国すべての町で電線地中埋設工事をすればいいのに、と思う

「蔵造りの町並み」にある「陶舗やまわ」。重厚な建築物はロケに使用されたというのも大いに頷ける。この蔵造りの町並みは、電線の地中埋設工事がされているので、景観がすっきり。全国すべての町で電線地中埋設工事をすればいいのに、と思う

重厚な蔵造りの町並みを歩くと
大正時代の人間になったように感じる。

さて、博物館をあとにしたら、バスで一気に「一番街」停留所まで移動。ここは蔵作りの町並みのど真ん中だ。重厚な観音開きの扉や屋根に力強く施されたカゲ盛りや鬼瓦、黒く塗られた見世蔵など、大江戸・東京にすらないような江戸の町並みの面影が残っている。類焼を防ぐ巧妙な造りの耐火建築で、北側に窓がなく南側に窓を置いたのも特徴のひとつ。
そんななか、ひと際重厚な蔵造りのお店が、「陶舗やまわ」。ここはNHK連続テレビ小説「つばさ」で多部未華子ちゃん演じるヒロインの実家として撮影にも使われた場所。食器を売って100年以上、川越に来てからも55年以上という歴史あるお店だ。
「陶舗やまわ」の奥に「陶路子(とろっこ)」というお茶や食事ができるお店がある(経営は一緒)。お昼ご飯はここに決めた。川越の名産であるサツマイモを使ったミニ懐石をいただく。小鉢の料理ほとんどにサツマイモが使われている芋づくしの懐石だ。

食前酒からデザートまでいただき、
満腹になってお隣の「亀屋 栄泉」へ。

“さつまいもと共に百余年 川越の伝統銘菓発祥の店”ということで、こちらもサツマイモを使った芋菓子が種類も豊富に並べられている。
少しだけ「芋を揚げたお菓子なんて、どれも変わりばえしないだろう」なんて思っていたことを素直に謝りたい。試食をしていたら腰を落ち着けてしまいそうなくらいおいしかった。多彩な種類で味の違いも楽しめた。
店を出てすぐ近くの信号を曲がったところにある川越のシンボル「時の鐘」を見上げて思わずつぶやいた。
「おかしいな・・・・・・満腹だったはずなのに」

その勢いのまま「菓子屋横丁」まで歩く。昭和初期には70軒以上の菓子製造・卸の店が集まっていたという横丁だ。「玉力製菓舗」は大正3年の創業以来、飴作りひと筋。金太郎飴で知られる“組飴”は季節の花の模様や葵の紋などが入れられたものもあり、お店のイチオシ商品だ。ガラス越しに飴作りを見ることもできるぞ。ただし、1日中作っているわけではないので、終わっていても文句を言ってはいけない。近くで見たい場合は予約制で見学もできるようだ。

「亀屋 栄泉」の芋菓子「里乃誉」。サツマイモをスティック状に切り油で揚げたもの。表面にショウガ風味の糖蜜をからめている。薄味の糖蜜や黒砂糖風味の糖蜜をからめたものもある

「亀屋 栄泉」の芋菓子「里乃誉」。サツマイモをスティック状に切り油で揚げたもの。表面にショウガ風味の糖蜜をからめている。薄味の糖蜜や黒砂糖風味の糖蜜をからめたものもある

川越のシンボル「時の鐘」。約400年前から城下町に時を刻んできたといわれている。現在のものは4代目。「日本の音風景百選」に選ばれている

川越のシンボル「時の鐘」。約400年前から城下町に時を刻んできたといわれている。現在のものは4代目。「日本の音風景百選」に選ばれている

1792年に造られた「大澤家住宅」。1893年(明治26年)の川越大火でも焼け残ったため、川越商人が蔵造りを建てるようになるきっかけとなった建物。現在は民芸品の「小松屋」さん

1792年に造られた「大澤家住宅」。1893年(明治26年)の川越大火でも焼け残ったため、川越商人が蔵造りを建てるようになるきっかけとなった建物。現在は民芸品の「小松屋」さん

川越のB級グルメ、太麺やきそば。「まことや」さんではソースと塩の2種類。ソース1玉300円、1.5玉400円、2玉500円。写真は1玉

川越のB級グルメ、太麺やきそば。「まことや」さんではソースと塩の2種類。ソース1玉300円、1.5玉400円、2玉500円。写真は1玉

菓子屋横丁の「玉力製菓舗」の組飴。青はパイン味のひまわり、黄はりんご味の菊。各200円

菓子屋横丁の「玉力製菓舗」の組飴。青はパイン味のひまわり、黄はりんご味の菊。各200円

「勢〆本店(勢〆酒店の看板もあり)」ではビールの立ち呑みができる。川越の地ビール「COEDO」。青はすっきりとライトな味わいの「瑠璃-Ruri-」、ブラウンはしっかりとしたボディで渋い味わいの「伽羅-Kyara-」、赤はサツマイモを使い、芋の風味も楽しめるちょっと高級な「紅赤-Beniaka-」(赤のみ原料にサツマイモを使用しているため発泡酒)

「勢〆本店(勢〆酒店の看板もあり)」ではビールの立ち呑みができる。川越の地ビール「COEDO」。青はすっきりとライトな味わいの「瑠璃-Ruri-」、ブラウンはしっかりとしたボディで渋い味わいの「伽羅-Kyara-」、赤はサツマイモを使い、芋の風味も楽しめるちょっと高級な「紅赤-Beniaka-」(赤のみ原料にサツマイモを使用しているため発泡酒)

散歩で大切なのは町の人とのふれあい
観光とは関係ないお店の人の話も楽しいのだ。

札の辻交差点から市役所の方へ歩いていくと、1軒の酒屋さんがあった。
「勢〆(せしめ)本店」。店頭に「地ビール立ち呑みできます」みたいな貼り紙が。もう大分陽も傾いてきているし、「味見をせねば」という使命感にも背中を押され、入ってみた。
するとなんと! このお店、130年くらいの歴史がある酒屋さんだったのだ。ご主人が中学生のころは、あの「本丸御殿」を教室としていたとか、お店も大正5年くらいの建物だとか、いろいろと貴重な話を聞かせてくれた。資料を読むよりもこのような生の話は心に刺さる。
店を出ると大きな満月が上り始めたところだった。月を背にして札の辻交差点まで戻る。ここまで来れば小江戸名所めぐり以外の東武バスも何路線か走っているので、すぐに乗ることができる。このまま川越駅まで戻ってもいいのだが、七福神の「福禄寿神」が祀られている「蓮馨寺(れんけいじ)」近くで降りた。「まことや」という店で、川越のB級グルメ「太麺やきそば」を食べて、この日の“小江戸川越めぐり”を終了にした。
ごちそうさ・・・・・・いや、お疲れさまでした。 写真・文/はるやまひろぶみ

見どころを写真で紹介

関連リンク

  • 喜多院
  • 川越城本丸御殿
    (川越市立博物館ホームページ内)
    住所:埼玉県川越市郭町2-13-1
    TEL:049-222-5399
    (川越市立博物館)
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