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まち見聞記

「浅草」を楽しむには1日じゃ足りない イメージ

2011年10月 更新

江戸から明治、大正、昭和・・・・・・時代の足跡を感じる街

「浅草」を楽しむには1日じゃ足りない

仲見世通り・浅草寺・かっぱ橋道具街
東京都台東区浅草/最寄り駅:東武伊勢崎線 浅草駅

「浅草はおもしろい」。
まあ、「おもしろさ」というのは人それぞれの感覚で違うものなのだが、やはりこれだけ連日人が集まってくるということは多くの人が共感できる魅力がある街ということだ。そのおもしろさの一端を少しでも伝えられたらと思いつつ浅草散歩へ出掛けよう。

東武伊勢崎線の東京の起点となるのが浅草駅だ。

北千住駅から約15分。東京都内の観光地としては5本の指に入る知名度の高さではないだろうか。今回はこの浅草界隈を散歩してみる。山道やけもの道はないが、長距離散歩になる予定。歩きやすい靴でどうぞ。


東武伊勢崎線浅草駅はホームがカーブしているのがひとつの特徴。駅はそのまま「松屋 浅草店」へと直結している。駅の東側には隅田川が流れ、吾妻橋を渡れば墨田区だ。駅を出て東を見ると、ランドマークのアサヒビール本社と金色の・・・・・・炎のオブジェが見える。そしてその左には恐ろしささえ感じさせる高さの東京スカイツリー® がそびえ立っていた。隅田川沿いを北へ行くと隅田公園がある。隅田公園は川の両岸にあり、それぞれの区が違うという珍しい公園。春は桜が見どころの名所なのだが、今回は駅を出て川を渡らずに雷門の方へ向かうことにする。

雷門前は絶好の撮影スポット。記念撮影する人も多い浅草の象徴的な場所だ。再建された門は鉄筋製で、松下幸之助氏が寄進したもの。右に風神像、左に雷神像が置かれている

雷門前は絶好の撮影スポット。記念撮影する人も多い浅草の象徴的な場所だ。再建された門は鉄筋製で、松下幸之助氏が寄進したもの。右に風神像、左に雷神像が置かれている

雷門から宝蔵門まで続く仲見世。人形焼きと扇子と煎餅と着物のお店が隣り合って営業中。外国人率も高い。よそ見をして歩いていると人にぶつかるので注意!

雷門から宝蔵門まで続く仲見世。人形焼きと扇子と煎餅と着物のお店が隣り合って営業中。外国人率も高い。よそ見をして歩いていると人にぶつかるので注意!

「浅草寺」本堂。聖観音宗の総本山。本尊は聖観音菩薩像。火災などで焼失するも、1649年に三代将軍の徳川家光が再建。しかし1945年に戦災で焼失してしまう。現在の本堂は1958年に再建されたもの

「浅草寺」本堂。聖観音宗の総本山。本尊は聖観音菩薩像。火災などで焼失するも、1649年に三代将軍の徳川家光が再建。しかし1945年に戦災で焼失してしまう。現在の本堂は1958年に再建されたもの

雷門へ向かう途中には人力車乗り場がたくさんある。

さまざまな会社が運営しているようだ。東京に住んでいる人だと、「いまさら浅草で観光人力車に乗るなんて・・・・・・」と思うかもしれない。しかしこの人力車、そんなに悪くはないのである。要所要所で止まってそのスポットの解説をしてくれるし、陽射しが強い日は日除け効果もある。体験してみて損はないと思うぞ。もちろん今回は散歩が目的なので乗らないけれど。

雷門前ではすでにあちこちで撮影会が行われている状態。外国人もすごく多い。平日だとこれに修学旅行生が加わる。
この雷門、数度の火災による焼失、再建を経ていて、現在の形になったのは1960年のこと。それ以前の95年間は、ここに門はなかったのだ。ただし、1635年に徳川家光によって再建されたときに、すでに左右の風神・雷神像は置かれた。故にこの門の正式名称は「風雷神門」という。
さて、この門を通る多くの人が風神・雷神像と「雷門」と書かれた大提灯をカメラに収めているのだが、ぜひ身体をもうひと捻りして見てもらいたいものがある。
ひとつは、提灯の底面だ。そこには見事な龍の彫り物があるのだ。これは仲見世通りを越えた宝蔵門にある「小舟町」や「二天門」、本堂の「志ん橋」などすべての大提灯にもあるのでぜひ見てほしい。
もうひとつは風神、雷神像の裏側に立っている二体の像、天龍・金龍像だ。1978年に建てられたもので、とてもいい顔をしている。門をくぐるとそのまま正面を見て歩いてしまう人が多いので、なかなか気づかれない。
“雷門をくぐるときは身体を捻る”と覚えておいてもらえると嬉しい。

雷門から本堂へ向かい、宝蔵門まで続くのが仲見世通り。

左右にお菓子から着物、はっぴ、小物、お土産品などのお店がびっしりと軒を連ねる、観光地らしく、かつ下町風情のある通りだ。焼きたての煎餅や揚げまんじゅう、お団子など、ついあちらこちらに視線が奪われてしまう。外国人ウケしそうな和装小物や学生のお土産にぴったりな浅草名物小物などのお店も賑わっている。
雷門から10メートルほど進んだ左側にある、「きびだんご あづま」という店が気になって、つい「冷やし抹茶」(100円)と「きびだんご」(300円)を買ってしまった。きなこがまぶされた小さなお団子がひと串に4つ、それが5本。ひとりで食べられるくらいの量だ。柔らかくておいしい。
ただし、この仲見世通りは食べ歩き、飲み歩きは御法度。買ったものはお店の近くで食べきるべし。

「浅草寺」本堂の西側にある「影向堂」。現在のお堂は1994年建立。浅草寺の御朱印をいただける。聖観世音菩薩や大黒天が祀られている。周辺にある六角堂は都内最古の木造建築物(室町時代建立)

「浅草寺」本堂の西側にある「影向堂」。現在のお堂は1994年建立。浅草寺の御朱印をいただける。聖観世音菩薩や大黒天が祀られている。周辺にある六角堂は都内最古の木造建築物(室町時代建立)

「浅草寺」の東側にある「浅草神社」。浅草寺の基となった観音像を川からすくった漁師兄弟とその像を祀るよう進言した文化人の3人を神として祀ったのが神社の始まりといわれている。「三社」はその3人の意。

「浅草寺」の東側にある「浅草神社」。浅草寺の基となった観音像を川からすくった漁師兄弟とその像を祀るよう進言した文化人の3人を神として祀ったのが神社の始まりといわれている。「三社」はその3人の意。
浅草神社

都内最古の寺院、「金龍山 浅草寺」
本堂以外にも行くべきところは多い。

徳川家康が江戸に幕府を開く遙か前、628年に創建されたといわれる浅草寺。しかしその長い歴史のなかでは、地震、雷、火事・・・・・・そして戦災と、何度も焼失、崩壊、再建を繰り返してきた。現在の本堂は1958年に再建されたものだ。
ある日、漁師が隅田川で黄金の観音像をすくい上げたことから、その観音様を祀り、建立したといわれている浅草寺。その時の精神は、何度再建されようとも、受け継がれてきている・・・・・・と思わされるような立派な本堂だ。
横には五重塔があり、奥には影向堂、後ろに二天門と、その場でくるくる回るといい建物、いい景色が見られる。・・・・・・最新の建築物、東京スカイツリーも思いきり視界に入ってくるが(見どころ写真参照)。

本堂の東側には、「浅草神社」がある。浅草寺へのお参りを主とするあまり、この神社のことを知らない人もいるほどだが、浅草の三社祭はこの浅草神社の祭礼だ。国の重要文化財。こちらもお参りしていこう。
本堂の西側には影向堂(ようごうどう)がある。浅草寺の御朱印は、ここで行われている。観音様に協力していた仏様を祀っているお堂だ。周辺には室町時代の建造物などもあるので立ち寄るべき場所のひとつだと思う。

影向堂を過ぎると花やしき通りがあり、
「浅草花やしき」の入り口がある。

ここは1853年に植物園として開園したのが始まりというから、その歴史の長さに驚かされる。植物園から動物園になり、現在の遊園地へと変遷してきた。ランドマークのBeeタワーを見上げつつ、お腹が空いてきたので食事処を探す。
探すといっても「ないものを探す」のではなく、どこにしようか決める作業だ。この辺りはすべての通りに名前がついていて、通りによっては飲食店が軒を連ねているところもある。その名も「すしや通り」や「食通街」という通りもあるくらいだ。寿司屋はもちろん、天麩羅屋やもんじゃ、ラーメン屋などが多い。何を食べようかと同じ道を何度か通るくらい迷ってしまった。これは、「今日は●●を食べる」と決めて行くほうが賢いのかもしれない。釜飯屋もいくつかあり、有名な老舗「釜めし 春」もあったのだが、ここはひとつ「食通街」で食べようと思い、「釜めし・季節料理 江戸定」に行ってみた。こちらも創業60年以上の老舗だ。
天然のうな重やかば焼きにも大いに惹かれたのだが、すでにお腹は釜飯でスタンバイしていたので、エビ、鶏、タケノコ、シイタケが入った「五目釜めし」(1050円)を頼んだ。当然、注文を受けてからご飯を炊きあげるので、約20分ほどかかる。その間メニューを見ていると、「えび釜めし」やイクラまで乗った「大名釜めし」にも心惹かれてしまった。
できあがって運ばれてきた釜飯は、味が染みているのはもちろんだが、なんだかフワフワしていた。炊きたてのおいしさというやつか、これが。

浅草六区といえば歴史ある繁華街。近くには遊興の街も生まれた時代があった。演芸界を目指す若者にとっての登竜門のような「浅草演芸ホール」は、もちろん現在も興行を行っている

浅草六区といえば歴史ある繁華街。近くには遊興の街も生まれた時代があった。演芸界を目指す若者にとっての登竜門のような「浅草演芸ホール」は、もちろん現在も興行を行っている

浅草六区といえば歴史ある繁華街。

浅草六区といえば歴史ある繁華街。近くには遊興の街も生まれた時代があった。演芸界を目指す若者にとっての登竜門のような「浅草演芸ホール」は、もちろん現在も興行を行っている

明治から大正末期まで浅草のランドマークとしてそびえ立っていた「凌雲閣」。

明治から大正末期まで浅草のランドマークとしてそびえ立っていた「凌雲閣」。雲を凌ぐほど高いことからそう呼ばれていた12階建ての塔だ。浅草六区の名所で日本初の電動エレベータも設置されていた。しかし関東大震災で崩落してしまった(画像はウィキメディア・コモンズから)

浅草の魅力のひとつは多彩な娯楽
何度でも来たくなる街なのだった。

お腹が満たされたので、またいくつもの通りをまわってみた。七味唐辛子で知られる「やげん堀」もある。ここは好みの量で七味を作れるし、それぞれの味が好きなので、何度か買いに来たことがある。
六区ブロードウェイという通りに来ると、ビートたけし氏も若いころに出演していた「浅草フランス座演芸場」がある。寄席だ。
「今度来て、見よう」と思う。
バッティングセンターやボーリング場などの遊戯施設もある。
「今度来て、やろう」と思う。
名画座や2番館などの映画館も建ち並ぶ。
「今度来て、観よう」と思う。
老舗であり、最大手のストリップ劇場「ロック座」もある。
このように、浅草の町には1日ですべてを堪能できず、「次に来たらこれをやろう」と思わずにいられないような楽しみがそこここにある。それが、盛り上がったり衰退したりという歴史を経て、変遷しつつも多くの人を魅了し続けてきた浅草ならではの特徴だろう。

さらに東へ進むと、かっぱ橋道具街に出た。

北は言問通り、南は浅草通り辺りまでの約800メートルに食に関する専門店が200軒以上集まっている。食器、調理器具、看板から冷蔵庫や食品サンプル、景品用の大量なお菓子パックまでが揃い、プロも買い出しに来るし、一般客や観光客も店を覗きながら行き交っている。大きさの違うボウルやザルがこれほど大量に揃うのも圧巻だし、本物と見紛う食品サンプルは見ていて飽きない。もちろんどれも購入できる。
通りは800メートルだが、店に入ってウロウロしていると歩く距離は軽く1キロを越えた。やはり散歩は歩きやすい靴が常識だ。
相当時間も経ったので浅草方面へ戻る。お腹もこなれたことだし、伝法院通りにある1887年創業の天麩羅屋「大黒家」へ入った。えび、きす、かき揚げが乗った「天丼」(1500円)をいただく。たっぷりと秘伝のタレがついた天麩羅はコロモの色が変わるほどだが、見た目と違い甘辛くあっさりしている。まったくコッテリ感がなく、ぺろりと完食してしまった。

すっかり日も落ちたので、最後のシメとして呑み屋さんを物色してお散歩は終了。帰り道では、ほどよく酔いながら今日1日を思い返して、つい笑顔になった。

締めのお店の詳細は見どころ写真を参照。 写真・文/はるやまひろぶみ

「かっぱ橋道具街」。食品サンプルの会社は一般向けにお店を構えている。これは「イワサキ・ビーアイ 合羽橋ショールーム 元祖食品サンプル屋」で売られているもの

「かっぱ橋道具街」。食品サンプルの会社は一般向けにお店を構えている。これは「イワサキ・ビーアイ 合羽橋ショールーム 元祖食品サンプル屋」で売られているもの

「かっぱ橋道具街」にある「かっぱ河太郎像」。合羽橋の由来の説明板もあるので読んでみて。たぶんこの界隈ではいちばんリアルなカッパ像だと思う

「かっぱ橋道具街」にある「かっぱ河太郎像」。合羽橋の由来の説明板もあるので読んでみて。たぶんこの界隈ではいちばんリアルなカッパ像だと思う

お腹が空いたのでお寿司を食べる・・・・・・ではなくて、これも「かっぱ橋道具街」の食品サンプル。こちらはテレビにも登場した(株)まいづるの浅草かっぱ橋本店にて

お腹が空いたのでお寿司を食べる・・・・・・ではなくて、これも「かっぱ橋道具街」の食品サンプル。こちらはテレビにも登場した(株)まいづるの浅草かっぱ橋本店にて

「ニイミ食器館」の屋上にあるシェフの顔もランドマークのひとつ。「かっぱ橋道具街」と浅草通りが交差する地点だ

「ニイミ食器館」の屋上にあるシェフの顔もランドマークのひとつ。「かっぱ橋道具街」と浅草通りが交差する地点だ

「神谷バー」。洋食、和食、喫茶が揃っている。バーだけど、まずは入り口で食券を買うシステム。追加オーダーは店員さんへ。社交場風でもあるが、家族っぽいグループも多くガヤガヤした喧騒と活気がある

「神谷バー」。洋食、和食、喫茶が揃っている。バーだけど、まずは入り口で食券を買うシステム。追加オーダーは店員さんへ。社交場風でもあるが、家族っぽいグループも多くガヤガヤした喧騒と活気がある

見どころを写真で紹介

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    発駅~北千住間の往復と北千住~浅草間ほか、設定のフリー区間で乗り降り自由。また、3つのコースで下町をめぐる循環バス「めぐりん」の1日乗車券付きで、浅草のさまざまな施設での割引サービスも受けられるお得なセット。
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