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家族で楽しめる夏休みの思い出ハイキング イメージ

2011年8月 更新

戦乱の世の遺物から雄大な自然の渓谷まで

家族で楽しめる夏休みの思い出ハイキング

菅谷館跡・オオムラサキの森・嵐山渓谷バーベキュー場
埼玉県比企郡嵐山町/最寄り駅:東武東上線 武蔵嵐山駅

鎌倉武士の畠山重忠の居城跡をはじめ、多くの城跡が残る嵐山町。また、多くの昆虫が生息している自然豊かな森、水と緑の渓谷もとても美しい。まるで自分が子どものころに訪れた夏休みの田舎のような風景のなかでこの夏の思い出を作ってみては?

池袋から東武東上線急行で約1時間。

到着した駅は、武蔵嵐山。京都の嵐山がよく知られているだけに、“むさしあらしやま”と読みそうになるが、こちらは“むさしらんざん”が正しい。では京都嵐山とは何も関係がないのかというと、そうでもない。1928年頃、埼玉県比企郡菅谷村にある渓谷の景観が京都の嵐山に似ていることから、その地域が武蔵嵐山と命名され、以来多くの観光客が来るようになった。その後、1967年に菅谷村が嵐山町(らんざんまち)に改称され、駅名や自治体名も武蔵嵐山に統一されていったということだ。

「埼玉県立嵐山史跡の博物館」入り口。この反対側に「菅谷館跡」が広がっている

「埼玉県立嵐山史跡の博物館」入り口。この反対側に「菅谷館跡」が広がっている

「埼玉県立嵐山史跡の博物館」の畠山重忠人形。館内が静かだったので、いきなり喋り出されて本当に驚いた

「埼玉県立嵐山史跡の博物館」の畠山重忠人形。館内が静かだったので、いきなり喋り出されて本当に驚いた

武蔵嵐山駅の西口を出て駅前商店街を
まっすぐ南西の方向へと進む。

このあたりは以前は菅谷村だったので、菅谷神社、菅谷公園、菅谷小中学校など、まだその名称が残っている。その菅谷小学校と中学校の間の道を抜けると、国道254号線に出た。その角には駅前の小さな商店とは違うチェーン系のドラッグストアがあるので、暑い日には飲み物などを補充することができる。また、陽射しが強い季節のハイキングには、日焼け止めは必需品。忘れてしまった場合はここで購入しておこう。
国道を左に曲がると、「埼玉県立嵐山史跡の博物館」がある。ここは畠山重忠が居住していた広大な平城、「菅谷館跡(すがややかたあと)」と隣接している。まずは博物館でこの地域の中世について学んでおくべきだと思い、入館した。
入るとすぐに甲冑姿の畠山重忠人形が目に入る。重忠は源頼朝に仕えた怪力の武士で多くの武勇伝が残されている。説明書きがあったので読もうと思って近づいたら、重忠が急に動きながら喋りだした。
結構驚いた。ドキドキを隠せない。周りに人がいなくてよかった。重忠人形はセンサーで動き出すロボットだったのだ。
ほかには戦国時代の城郭の出土品や絵巻物の解説、民話の紹介などがある。音声が流れるものがいくつかあるので、すべて観て聞いてまわると1時間以上はかかる。

博物館の建物から直接「菅谷館跡」へ出られる。

正式名称は「比企城館跡群 菅谷館跡」といい、約13万平方メートルもある国指定史跡だ。
畠山重忠像を見てから本郭をぐるっとまわり、南郭から二ノ郭を通って戻ってくるコースは約40分、畠山重忠像から三ノ郭を通り、復元木橋、西ノ郭をまわって戻るコースは約25分かかる。“コース”といっても、半ばけもの道のようなもので、林のトンネルをヒラヒラと舞うハグロトンボたちに先導されて歩くことになる。次第に子どものころの探検ごっこをしているような錯覚に陥ってしまった。
背の高い木々や木漏れ日のなかを歩いていると、広い公園にでも来たのかと思ってしまうが、敷地全体の周囲を囲んでいる土塁を見ると、やはりここは城だったのだなあとあらためて感じさせられた。

「菅谷館跡」の畠山重忠像。もちろんこちらは動きもしないし喋りもしない

「菅谷館跡」の畠山重忠像。もちろんこちらは動きもしないし喋りもしない

「菅谷館跡」にある石碑と案内板。この石碑には“県指定史跡”と書かれているが、1973年に“国指定史跡”に指定された。この碑はそれ以前のものだろう

「菅谷館跡」にある石碑と案内板。この石碑には“県指定史跡”と書かれているが、1973年に“国指定史跡”に指定された。この碑はそれ以前のものだろう

国蝶の「オオムラサキ」。日本全国に生息しているが、あまり人目に付かないところを飛ぶ生態があるので見つけづらいため、希少種と間違われることが多い。大きくてキレイ

国蝶の「オオムラサキ」。日本全国に生息しているが、あまり人目に付かないところを飛ぶ生態があるので見つけづらいため、希少種と間違われることが多い。大きくてキレイ

昆虫を観察しつつ、自然散策
国蝶、オオムラサキに出会う

「菅谷館跡」をぐるっとまわって博物館に戻ってもいいのだが、「オオムラサキの森」へ向かうのであれば、西ノ郭を最終地点としてまわるのがいいだろう。そこから外に出るのがショートカットになる。
「オオムラサキの森」には「活動センター」があり、なかには標本が飾られていて、「オオムラサキの森」「ホタルの里」「蝶の里公園」のマップももらえる。ここには約70種の蝶が生息していて、今季はすでに60種ほど確認しているという説明をしてくれた。また、オオムラサキがいるポイントも教えてくれたので、マップを頼りにそちらへ向かってみることにした。
「菅谷館跡」同様、またしても田舎の道を歩いているような懐かしい感覚に浸りながら進んだ。小川もあり、ホタルの里の外にもホタルが沢山いるとのことだった。夜に来てみるのも楽しいかもしれない。ただし、道から大きくはずれるとマムシと出会ってしまうこともあるそうなので、そこは注意。

この日はホタルの里の近くでオオムラサキが見られるということなのでそこへ向かう。すると、すでに数名が樹に向かって一眼レフカメラを構えていた。
オオムラサキはそれほど希少な蝶ではないのだが、見つけにくいことと大きくてキレイな点で人気が高く、国蝶であるため地域によっては天然記念物に指定されている場合もある。ここ嵐山町は自然を守り、昆虫を守る環境を維持しているので、この日はこの場所で8頭ほど見ることができた。採集は禁止だが、なんだか蝶を追いかけていると子どものころの夏休みのような気分になってしまった。

川沿いの散歩道から嵐山渓谷へ
バーベキュー場は大賑わい

都幾川に架かる二瀬橋を渡り右へ川沿いを歩く。ここは「桜堤」という散歩道で、春は桜がライトアップされるとてもキレイなスポット。夏は直射日光を避け、桜の木陰を歩くと涼しく、木漏れ日が心地いい。都幾川へと合流しているのが槻川。その槻川が京都嵐山に似ているといわれた「嵐山渓谷」となる。槻川橋まで行ってみる。
「嵐山渓谷バーベキュー場」では若者のグループからファミリーまで大勢の人たちが目一杯楽しんでいた。川で魚を捕る父子やボートで遊ぶ家族など、絵に描いたような夏休みの風景だ。ハイキングの服装だと川遊びができないのが、残念! ちょっと悔しいので次に来る楽しみができたと思うことにする。
バーベキュー場には売店もあり、飲み物やアイスのほか、バーベキュー用の食材なども売られている。野外炉や鉄板などの用具もレンタルされているので、極端なことをいうと手ぶらで来てバーベキューを楽しむこともできるわけだ。
ここから嵐山町で最も高い大平山を登るハイキングコースもある。大平山は樹が生い茂っていて、気持ちのいい空気を緑のなかで堪能するにはもってこいだろう。

槻川橋近くには宿泊もできる健康センター「平成楼」がある。露天風呂や薬湯もあるので、入館2時間コースで疲れた身体を癒してから帰るのも悪くない。 写真・文/はるやまひろぶみ

「嵐山渓谷」のバーベキュー場。日陰もできて水もキレイ。景観も素晴らしい。さらにこの上流は人も少ない静かな渓谷だ

「嵐山渓谷」のバーベキュー場。日陰もできて水もキレイ。景観も素晴らしい。さらにこの上流は人も少ない静かな渓谷だ

「嵐山渓谷」のバーベキュー場。家族みんなで作りたての焼きそばを太陽の下で食べる幸せ。まさに“物より思い出”だ

「嵐山渓谷」のバーベキュー場。家族みんなで作りたての焼きそばを太陽の下で食べる幸せ。まさに“物より思い出”だ

正面に見えるのが「大平山」。標高178.9m。ハイキングコースにもなっている

正面に見えるのが「大平山」。標高178.9m。ハイキングコースにもなっている

見どころを写真で紹介

関連リンク

  • 嵐山渓谷バーベキュー場
    住所:埼玉県比企郡嵐山町鎌形2857
    TEL:0493-62-4152(管理棟・野外炉予約)7
    TEL:0493-62-8844(売店・食材予約可)
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