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足利史跡を巡って歴史に思いを馳せる イメージ

2011年8月 更新

室町文化を拓いた足利氏のふる里をお散歩

足利史跡を巡って歴史に思いを馳せる

鑁阿寺・足利学校・足利織姫神社
栃木県足利市/最寄り駅:東武伊勢崎線 足利市駅

室町幕府を開いた足利氏の館跡でもある鑁阿寺をはじめ、多くの寺社が点在し、国指定の重要文化財も多い栃木県足利市。初心者にピッタリのトレッキングコースもあり、市内であれこれ楽しめちゃうのが魅力だ。せっかくだからB級グルメも味わっちゃおう。

特急「りょうもう」で浅草駅から乗り換えせずに、
約1時間20分で着くのが足利市駅だ。

急行などを使い乗り継ぎをしても約1時間45分で到着する。
東武特急「りょうもう」は、1969年にその列車愛称が付けられ、それまでの有料急行という運行形態は変わらないまま、全車指定席制が導入された。このころから東京~群馬間のメイン路線として定着し、現在の特急への進化が始まった。現行の車両にはヘッドプレートがないが、1800系車両と呼ばれる以前のタイプでは正面に「りょうもう」というひらがな表記のプレートが付けられていた。1970年代、肌色の車両が多かった東武伊勢崎線を、真っ赤な車両に白いラインで颯爽と走る特急「りょうもう」はひと際カッコよかった。当時は多くの人がついつい目を引かれていた。
小さいころから特急「りょうもう」を見ていると、ついひらがなで頭に浮かんでしまうが、漢字では両毛と書く。両毛というのは、上毛野国(かみつけのくに。現在の群馬県)と下毛野国(しもつけのくに。現在の栃木県)を併せた地域のことを指している。今回も、浅草を出てから埼玉県を通り、栃木県足利市へ着くまでに、群馬県も通ってきた。まさしく両毛地区の町へやって来たことを感じさせる。

とてもスタイリッシュなフォルムの特急「りょうもう」。浅草から足利市までは、特急料金含め1940円。赤城行きのほか、伊勢崎行きと佐野方面の葛生行きがある

とてもスタイリッシュなフォルムの特急「りょうもう」。浅草から足利市までは、特急料金含め1940円。赤城行きのほか、伊勢崎行きと佐野方面の葛生行きがある

「足利学校」の入り口にある「入徳門」。裏門を移築したものといわれている。ここをくぐったあとで入館料(大人400円、高校生210円、中学生以下無料)を払う

「足利学校」の入り口にある「入徳門」。裏門を移築したものといわれている。ここをくぐったあとで入館料(大人400円、高校生210円、中学生以下無料)を払う

大日大門通りの「鑁阿寺」より少し手前に佇む、「足利尊氏公像」。室町幕府を開いた征夷大将軍である。足利市と足利氏が繋がっていない観光客もいるかも・・・・・・?

大日大門通りの「鑁阿寺」より少し手前に佇む、「足利尊氏公像」。室町幕府を開いた征夷大将軍である。足利市と足利氏が繋がっていない観光客もいるかも・・・・・・?

足利市駅の北口を出てそのまま北へ歩くと、
すぐに渡良瀬川が見えてくる。

一番近い橋の中橋を渡り始めると、一気に視界が広がった。ついつい大きな空を仰ぎ見てしまい、何度か立ち止まりつつ橋を渡りきる。JRの踏切を越えて県道を右に曲がり歩を進めると、左手にちょっとわかりづらい鑁阿寺(ばんなじ)への入り口を見つけた。そこが、まっすぐに大日様(鑁阿寺のこと)へと続く石畳の道、大日大門通りだ。石畳を気にしていれば見逃すことはないだろう。ここまで、駅からは約10分ほどだった。
大門通りを進むと、ちょうど中ほどに「足利学校」への道しるべがあったので、そちらへ曲がってみる。
「足利学校」は中世の高等教育機関で、1549年にはキリスト教の宣教師であるフランシスコ・ザビエルが、「日本国中最も大にして、最も有名な坂東の大学」と世界に紹介したほど大勢の学徒がここで学んでいたという。明治初期に廃校となり、多くの建物が消失してしまったが、1990年に復元され、江戸時代中期の最も栄えた時期の様子が再現されている。入館料を払い、ゆっくりまわって約30分かかった。

国指定史跡、足利氏宅跡「鑁阿寺」は
武士の館らしく土塁と堀に囲まれている

石畳の大門通りに戻り、「鑁阿寺」へと向かう。県の重要文化財である仁王門の前にはお堀にかかる太鼓橋がある。お堀には大きな鯉がゆったりと泳ぎ、かわいいカモの親子の行列も見られた。あまりにも鯉が大きいので、小さな子ガモが食べられちゃうのでは? と少し心配になる。まあ、そんなことはないのだろうけど。
足利市はその名の通り、足利氏ゆかりの地であり、この「鑁阿寺」は足利氏の館跡でもある。2代目の足利義兼が持仏堂を建てたことから足利氏の氏寺となった。鎌倉時代の建造物である本堂や鐘楼といった国の重要文化財に加え、秋には見事な黄葉となる大銀杏、広場、児童公園などがある。大きな木が強い陽射しを遮り濃い影を落とす広場はシンとしていて落ち着く。観光客はもちろん、地元の参拝者も多数訪れるようだ。

「鑁阿寺」のお堀にいたカモの親子と大きな鯉。これよりも大きな鯉もいて、本気で子ガモのことを心配してしまった

「鑁阿寺」のお堀にいたカモの親子と大きな鯉。これよりも大きな鯉もいて、本気で子ガモのことを心配してしまった

「鑁阿寺」仁王門。ひさしの下の造りなども見てほしい。手前のお堀に架かるアーチ橋の形をした太鼓橋も風情がある

「鑁阿寺」仁王門。ひさしの下の造りなども見てほしい。手前のお堀に架かるアーチ橋の形をした太鼓橋も風情がある

重要文化財である「鑁阿寺」の大御堂。“御本尊大日如来”と書かれている。地元の人は“大日様”と呼び親しんでいる

重要文化財である「鑁阿寺」の大御堂。“御本尊大日如来”と書かれている。地元の人は“大日様”と呼び親しんでいる

「鑁阿寺」お休み処の「味噌おでん」(250円)。44年間継ぎ足し、守ってきた味噌はホッとする味とでもいおうか

「鑁阿寺」お休み処の「味噌おでん」(250円)。44年間継ぎ足し、守ってきた味噌はホッとする味とでもいおうか

ひと通りまわってから、入ってきた仁王門へと戻った。

ちょっと気になったものがあったのだ。売店もあるお休み処に、“ばんな寺名物 元祖みそおでん”と書いてあったのだ。
食べてみた。
コンニャクに甘めの味噌がたっぷりと載せられたもので、少し疲れた身体にちょうどよく、ツルンと食べてしまった。味噌がとてもおいしい。このお店は1967年から営業していて、なんとこの味噌は44年間継ぎ足しを繰り返しているという。しかも、夏と冬では微妙に甘さを調節しているらしい。感服した。

足利名物といえば・・・・・・史跡と
ポテト入り焼きそば!?

足利市のB級グルメとして昔から親しまれているものに、“ポテト入り焼きそば”というものがある。大正時代、栃木県南部ではジャガイモがたくさん採れたことから、ネギと一緒に炒めて子どものおやつとして食べられていた。さまざまなものを屋台で売り歩く文化があり、そのポテト炒めも屋台の定番商品だったという。最初は醤油炒めだったが、地元のソース会社がソースをかけることを提案し、それが定着。戦後、そこに麺が入れられポテト入り焼きそばが生まれたという。昭和30年代には屋台の焼きそば売りもよく見かけられたらしい。
確かに焼きそばにジャガイモは入れない。さっそく近くの店へ行ってみた。
鑁阿寺の北門を出てすぐの「はとや」へ。創業40年以上のお店だ。焼きそば専門店ではないが、メニューに「ポテト焼きそば」がある。注文するとご主人が鉄板で焼いてくれた。この店は、月星ソースを作っている地元の月星食品が事務局となっている「ポテト入り焼きそばを広める会」に入会している。そんな店が、足利市内には結構あるようだ。
味は・・・・・・おいしい焼きそばにポテトが載っているものだった。特にすごく変わった味がするわけではなかった。ただし、店ならではの工夫はあった(みどころ写真参照)。

「はとや」の「ポテト焼きそば」(400円)。これが足利市の名物B級グルメだ! でも駅の観光案内所のおじさんも、「まぁ普通の焼きそばですよ」と言っていた

「はとや」の「ポテト焼きそば」(400円)。これが足利市の名物B級グルメだ! でも駅の観光案内所のおじさんも、「まぁ普通の焼きそばですよ」と言っていた

「こばらベーグル」の「ポテト入りやきそバーガー」(400円)。ボリューム満点。ちゃんと紅ショウガも入っていて、うまい

「こばらベーグル」の「ポテト入りやきそバーガー」(400円)。ボリューム満点。ちゃんと紅ショウガも入っていて、うまい

「カフェ アラジン」。だいたい17時~0時まで営業。梅雨前は14時くらいから出ている。もちろんその日の天候にもよる。テーブル席もある。陽が暮れたらランプに灯りが点る

「カフェ アラジン」。だいたい17時~0時まで営業。梅雨前は14時くらいから出ている。もちろんその日の天候にもよる。テーブル席もある。陽が暮れたらランプに灯りが点る

ポテト入り焼きそばをアレンジしたものが、
2010年の足利B級グルメグランプリに輝いていた。

その名も「ポテト入りやきそバーガー」。ポテト入り焼きそばを薄い生地の皮で包み、コロッケのように揚げたものをベーグルに包んでいる。揚げたての熱々を食べられるのは、ベーグル専門店の「こばらベーグル」だけだ。
とちおとめから作った自家製天然酵母や栃木産小麦を使い、イーストフードなどは一切使わないこだわりのベーグルでポテト入り焼きそばを挟んでいる。ここだけの新食感が楽しめるぞ。

「ポテト入りやきそバーガー」同様、ここ足利市でしか味わえないもので、40年以上の歴史を誇るものがもうひとつある。
屋台の「カフェ アラジン」だ。
国道293号線沿いの足利女子高校近くで深夜まで営業しているカフェ。メニューは一品のみ。オリジナルブレンドのクセがなく飲みやすいホットコーヒーだ。移動式のカフェは全国でもいくつかあるが、一品のみで、同じ場所で、40年続けて、というのは、この「アラジン」だけではないだろうか。

渡良瀬橋から織姫神社へ
絶景を楽しみながらのハイキングも

足利市駅を出て中橋を渡りきったらすぐに川沿いを左へ行くと、先にもうひとつ橋が見える。それこそが、森高千里が歌った「渡良瀬橋」だ。視界が広く、気持ちのいい川沿いを歩き、「もうすぐ橋だ」と思ったら道の反対側に“歌碑”があった。『渡良瀬橋』の歌詞が彫られており、ボタンを押すと曲を聴くことができる。気分を盛り上げてくれる、なかなかいい演出だ。
渡良瀬橋から北へ歩き県道を越えると、「足利織姫神社」の入り口が見えてくる。県道をさらに左に行くと、『渡良瀬橋』の歌詞にも出てくる「八雲神社」がある。森高千里がお参りしている姿でも想像しながら参拝してみてはどうだろう。バチは当たらないと思う。
「足利織姫神社」は織物産業の守り神として奉られているが、最近は縁結びの御利益が有名になっている。長い石段の下には、「二二九段登れば叶う縁結び」と書かれていた。
229段か・・・・・・登ってみよう。そして誰かと縁を結ぼう。

この「足利織姫神社」の北側から足利城跡の両崖山(251m)に入り、天狗山(259m)をまわるハイキングは約3時間の初心者向けコース。足利市が一望できる気持ちよさが味わえる。ただし、初心者向けといっても、それなりの準備はするべし。間違えてもピンヒールとか履いて行ってはいけません。 写真・文/はるやまひろぶみ

「足利織姫神社」。カップルが4組ほどいた。こちらはひとり・・・・・・で、仕事の縁が広がるようにお参りをしてきた。縁結びとは恋に限ったことではないのです

「足利織姫神社」。カップルが4組ほどいた。こちらはひとり・・・・・・で、仕事の縁が広がるようにお参りをしてきた。縁結びとは恋に限ったことではないのです

見どころを写真で紹介

関連リンク

  • 史跡足利学校
  • 足利織姫神社
  • こばらベーグル
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