1. 社員旅行、家族旅行で通った川治温泉郷へふたたび

~あの日の自分に帰る旅~

懐かし旅

2013年12月 更新

社員旅行、
家族旅行で通った川治温泉郷へふたたび

北海道から就職で東京へ出て来て、社員旅行で訪れた川治温泉。
結婚後も家族旅行で何度も遊びに来た町に
夫婦ふたりだけで再訪。楽しい記憶が甦る。

第一線で働いてきた方が懐かしいスポットをめぐる電車の旅に出る企画。今回は、大学卒業後に上京して、その後何度か訪れた川治温泉にふたたびやって来た田中護さんと妻の久子さんの旅だ。

田中護(たなかまもる)さん

1955年(昭和30年)生まれ。北海道出身。大学卒業後上京して就職。北海道にいたころから温泉は好きだった。川治温泉は、1978年(昭和53年)、入社後はじめての社員旅行で来て気に入り、結婚後の’80年代にも子どもを連れて何度か遊びに来た思い出の地。現在は会社役員。奥さんには密かに「マーク」と呼ばれているが、「2013年は、『田中』だし『マー君』と呼ばれてもいいかなと思っています」という楽しい性格。奥さんの久子さんは恥ずかしがり屋なため、今回は顔出しNG。

田中護さん

10:00浅草駅出発!

浅草駅発の特急スペーシアに乗車。
川治温泉へは東武スカイツリーラインから鬼怒川線経由で野岩鉄道へ入り、川治湯元駅で下車する。川治温泉駅の次だ。

田中さんご夫婦は、電車での旅行が久しぶりとのこと。
ゆったりと座れる個室での温泉行きを選んだ。

護(以下、護)「仕事で東武線沿線へ行くことはあるけど、こんなゆったりした個室で旅行するのは本当に久しぶりだな」
久子(以下、久)「本当、旅行に行くという気持ちが盛り上がるわね」

上京してから社員旅行で行った川治温泉。その後、子どもが小さいときにも何度か家族で訪れた。
最初のころは川治温泉も多くの観光客で賑わっていた。子どもの成長とともに仕事も忙しくなり、いつの間にか家族旅行へ行く機会も減ってしまっていた。
最後に行ったときは、「観光客が少なくなったかな」と感じたという。


護「温泉街はお土産屋さんがたくさんあって、よく温泉まんじゅうを買って帰ったな」
久「そうだねえ。あとどんな店があったかしらね。忘れちゃったな」
護「行けば思い出すんじゃないか? お店は変わっていないような気がするな」

最後に行ってから20年以上・・・・・・果たして・・・・・・。

12:40川治湯元駅到着

駅前の地図を見るふたり。

護「ああ懐かしい・・・・・・けど、やはりちょっと変わっているな」
久「私は地図だけではどこが変わっているのかわからないや。歩いてみたら思い出しそう」

まずは歩いてみる。

護「この民家が並んでいる風景は懐かしいな。でもたまに廃墟になっているところもあるね」

久子さんは駅で見つけたスタンプラリーをコンプリートする気満々だ。

13:15「和風らぁめん いかり」で昼食

開業して20年以上経つ、人気店「和風らぁめん いかり」に入った。
田中さんが川治温泉に来なくなった時期にオープンした店かもしれない。

護「この店は覚えてないね。でもうまそうだからここで昼食にしよう」

久「『ロースらぁめん』が人気らしいよ。私はそれにしよう」
護「え!? 揚げ物が入っているラーメン!?」

食指が動かない護さんは、もやしがたっぷり入っていることを確認して「味噌らぁめん」をオーダー。やはり北海道出身者だ。

久「あ、全然脂っこくないよ。和風というだけあってあっさりしているスープにちょうどいい。お肉も軟らかい。『味噌らぁめん』はどうですか?」
護「北海道の味噌とは違うな……」
久「そりゃそうですよ」

「味噌らぁめん」もおいしいとのことでした。

14:20男鹿川沿いを歩く

紅葉が今年いちばん綺麗な時季。男鹿川の岸に立って上流と下流を見ると、もりもりと紅葉が山を覆っている。

護「昔もこんな時季に来たことがあるなあ」
写真を撮りながら懐かしむようにつぶやく護さん。


川治ふれあい公園に来た。
以前はなかった「かわじいふるさとの駅」に入ってみる。観光案内所のようなところだ。

護「あ! 力道山だ。川治温泉に来たんだ」
久「昭和30年って書いてあるよ。あなたが生まれた年じゃないですか」
護「本当だ。しかも『川治温泉ホテル』に泊まったみたいだ。このホテルはうちも泊まったことがあったな」

このときは気づいていなかった田中さん。「川治温泉ホテル」は、現在の「らんりょう」。今日ふたりが泊まる宿だ。
ご自身が生まれた年に力道山が泊まったホテルに、その後ご自身も家族で何度か泊まっていたことになる。
そしてそのときの写真と出会えた偶然。
この写真は「かわじいふるさとの駅」のスタッフの方のお父さんが手に入れて保存していたものとのことだ。


今回の旅は、このような偶然・・・・・・というか不思議な出会いが、このあともいくつか待っているのだった。

15:00黄金橋を渡る

公衆浴場の「薬師の湯」の近くを通って、黄金橋(こがねばし)まで来た。男鹿川と鬼怒川が合流する地点に架かる大きな橋だ。鬼怒川上流方向には野岩鉄道の陸橋も架かっている。
タイミングよく電車が通ると、いい角度で写真が撮れるビュースポットだ。

護「この橋は渡った記憶があるね。どこかのホテルの露天風呂からこの橋を見たような記憶もあるな」

川の合流地点にある旅館「柏屋」かもしれない。「らんりょう」と変わらないくらい古くからある老舗だ。


黄金橋を渡ったふたり。

久「この先はウォーキングコースになっているね。「あじさい公園」だって。歩いて2時間のコースもあるけど、いまは季節が違うね。今度あじさいの季節に来ましょう」

再訪が決まった。

15:30大黒屋製菓店のまんじゅう

バス通りまで戻り、温泉まんじゅうの「大黒屋製菓店」へ。

護「うわー、このまんじゅうは買ったなー。懐かしい」
久「覚えているわ。お向かいのまんじゅうも買った覚えがあるけど、もうやっていないのかな?」

「大黒屋製菓店」の斜向かいにあるまんじゅう屋は、おばあさんが高齢になり店を閉めたとのことだった。
川治温泉街のまんじゅう屋は「大黒屋製菓店」だけになってしまっていた。

護「この通りも賑やかだった時代があるんだけどな。ずいぶんと寂しくなっちゃったな」

護さんがはじめて川治温泉に来たころがいちばん賑やかだったかもしれない。いまでも温泉目当ての観光客は決して少なくはないのだが、通りに来て土産を買う人は減ってしまった。
それでもお祭りがあるときは観光客や地元の人が「川治ふれあい公園」に集まり活気があるという。
そして、「大黒屋製菓店」はいまでも毎日朝から温泉まんじゅうを作っている。

護「子どもがいるときは12個入りとか買っていましたけど、いまはふたりなので4つにしました」

護「温泉に来たら温泉まんじゅうでしょう」

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