東京下町の歴史を楽しんだり、浅草やグルメを堪能しながら観光名所を巡る東京下町の観光情報誌

[2013年12月 更新]

墨田区の曳舟から江東区の亀戸までをブラリ散歩

5駅を2両編成の電車が走る東武亀戸線。その沿線の亀戸天神社や名店「亀戸ぎょうざ」などをブラリ歩いてポイントを紹介。

墨田区の曳舟から江東区の亀戸までをブラリ散歩

活気ある昔ながらの下町の商店街

東京都墨田区の曳舟駅と江東区の亀戸駅を結ぶ2両編成の電車がある。
東武亀戸線。
停車駅は曳舟、小村井(おむらい)、東あずま、亀戸水神、亀戸の5駅。

曳舟駅から西に向かった住宅街の小路に伸びているのが、「下町人情キラキラ橘商店街」。
おでんの「大国屋」とミート&デリカの「鳥正」の間を通り、50年、60年以上の歴史がある店が軒を連ねる古き良き商店街。お店の歴史は長いが、歴史を重んじて格式張って・・・・・・なんてことはなく、ほとんどが生活のためであり地域に住む人のために商売を続けているお店だ。商店街は、近所の人が夕飯の買い物に来る夕方にもっとも活気づく。
惣菜屋などで買い物をしながら商店街をまっすぐ歩き、明治通りが見えはじめるあたりまで来ると、左手に肉の惣菜を売っている「鳥正」がある。南にあった「大国屋」近くの「鳥正」は本店で、こちらは京島店となる。ここもおいしそうな惣菜がたくさん並んでいる。

2両編成の東武亀戸線。※写真は2013年9月のもので、現在はソラカラちゃんのヘッドマークはない

「下町人情キラキラ橘商店街」。おでん種を売っている「大国屋」

下町では隠れた名店に出会える

さらに明治通りのほうへ進むと、一部のマニアにはたまらない店を発見。店名は「向島電化ハウス」だが、店内に大量のアナログレコードが見える。
ここは以前、電器店をやりながらレコードも販売していたとのこと。だがその後、時代の流れに押され、レコードを倉庫にしまってしまった。それを1年ほど前(2012年)にふたたび出したのだ。
どれも新品の美品だが、すべて50%オフ。ジャンルは幅広く揃っているのだが、並べ方に決まりはなくバラバラ。お目当てのものを探すのは大変だが、それすらも楽しいと思える人は、行く価値ありだと思う。

明治通りを歩くと、途中には昭和30年代くらいからやっているのでは? と思えるようなボルトやナットを扱う製作所やレトロな雰囲気の喫茶店などがある。レトロだが店名は「メトロ」だった。
ほどなくして、東武亀戸線の小村井(おむらい)駅に着く。
さらに歩くと、鉄をスクラップする会社があり、大きな磁石で鉄くずをトラックに乗せる作業をしていた。明治通りに面したところにこのような工場があるのも下町らしさを感じさせる。

「向島電化ハウス」という店名もかっこいい。電気屋さんで売っているレコードだ

大きな強力磁石

「亀戸水神宮」「亀戸天神社」にお参り

明治通りから亀戸水神駅のほうへ左折。
駅に着く前に亀戸水神宮があるのでお参りしよう。
二股に分かれる道の角にあるので、水神様の前を横切ってショートカットする人が何人かいた。・・・・・・いいのだろうか? まあ、神様は寛大だから許してくれるかな。
亀戸水神宮は歴史が古く、その名のとおり水害から守っていただく祈願をした神社だ。水を司る女神が御祭神様らしい。創建当時といまでは周りの木々も減っていてすっかり様子が変わってしまったことだろう。

ここから亀戸駅方向へ向かいつつ、少しずつ線路から離れていくと亀戸天神社に辿り着ける。
亀戸天神社は、菅原道真公を祀る九州太宰府天満宮を本社とする東の宰府。1646年に九州太宰府天満宮の神官が小さなほこらに御神像を祀ったのがはじまりで、1662年に社殿や回廊などを営むようになった。
現在は下町の天神様としてさまざまな祭事などが行われている。

お参りをしてから来た道を戻り亀戸駅に向かう。
明治通りと蔵前橋通りが交差するあたりに、「亀戸梅屋敷」がある。2013年3月にオープンした観光施設だ。
もともと亀戸には天神様の北に梅屋敷があり、歌川広重の浮世絵、名所江戸百景に描かれているのが梅屋敷の臥龍梅(がりゅうばい)。ここはその梅屋敷を再現したような観光施設で、火の見櫓なども設置されている。
看板に倣って説明すると、「土産・喫茶・観光・切子・錦絵・休憩」が揃った場所だ。梅酒やかき氷を売っていたり、観光案内所があったりする。水陸両用バスの「スカイダック」の発着所でもあり、ツアーの案内や地図も置いてある。

「亀戸水神宮」。意外と小さい

「亀戸天神社」

「亀戸天神社」と東京スカイツリー®

「亀戸梅屋敷」

老舗酒屋のオリジナル商品

亀戸駅近くから亀戸水神駅方向にも商店街がある。
ここも、惣菜屋や活気のある八百屋などが軒を連ねる、地元に根付いたいい商店街だ。
そんな並びに1軒の酒屋がある。
「篠崎酒店」。
店頭に台があり、おすすめの日本酒と小さなグラスが置いてあったので、角打ちをしているのかと思ったがそうではないらしい。角打ちというのは酒屋の店頭でお酒を飲むことだ。グラスは試飲用のものだった。
お店はすでに開業してから、「50年か60年か・・・・・・(店主談)」。
「亀戸はいまはいろいろいい話題も多いけど、昔は評判が悪い土地だったんです。でもいいところだからそれをわかってほしくて、京都の酒蔵にオリジナルで作ってもらった酒を売っているんです」
とのこと。
日本酒「亀井戸」。吟醸生貯蔵酒もある。この店でしか手に入らない酒で、リピーターも多いという。
口当たりがよく、肴を選ばないような味。確かにまた買いに来たくなる日本酒だ。

「篠崎酒店」

日本酒「亀井戸」各種

名店「亀戸ぎょうざ」で満腹になる

商店街から東武亀戸線方向へ。
亀戸駅近くには「亀戸ぎょうざ」がある。餃子専門店だ。つねに8割がた席が埋まっている人気店。
しかも名店といってもいい。メニューはひと皿5個の餃子だけ。飲み物はいろいろあるが、「水」とオーダーしてもいい。そして餃子はひとり2皿から頼むのがキマリ。とはいえ、それほど大きな餃子ではないので、10個くらいすぐにペロリ。女性のひとり客もいるくらいだ。
3皿目からはひと皿ずつ頼める。というか、食べていると店の人が「もうひと皿?」と聞いてくるのだ。
まるで、わんこ餃子だ。
また、餃子が2個残っている状態で次の皿が来たら、店の人が前の2個を新しい皿にゴロンと移動させて皿を重ねていく。
わんこ餃子だ。
「亀戸ぎょうざ」は、野菜の食感がザックリ残っているタイプの餃子で、小皿には最初から和がらしが乗せられていた。餃子にからし、これもこの店の特徴のひとつ。もちろんラー油や酢も用意されている。
持ち帰り用は、生と焼きがあり、こちらも2人前(10個)より。焼きを頼むと、「電車かバスに乗りますか?」と聞かれる。車内で臭いが漏れないようにビニールで包んでくれる優しい対応が嬉しい。

「亀戸ぎょうざ」

2個残っていたところに次のひと皿が来た