東京下町の歴史を楽しんだり、浅草やグルメを堪能しながら観光名所を巡る東京下町の観光情報誌

[2014年4月 更新]

墨田区南部のお店を紹介

名物ふぐとちゃんこ鍋の名店「割烹かりや」、手打ち蕎麦の「吾妻橋藪そば」、そしてお酒を飲んでも楽しい鮨店「与兵衛鮨」。種類はさまざまだ。

※ここで表記されている価格は全て、2014年3月のものです。

「ふぐ料理とちゃんこ」割烹かりや

正当派の本格ちゃんこと天然とらふぐを老舗で堪能

創業は1947年(昭和22年)。ちゃんことふぐ料理を味わえる贅沢な割烹である。
初代は出羽海部屋出身の力士で、ふぐ料理の修業を終えたあと、まだちゃんこが世の中に出回っていなかった時代に、いち早く相撲部屋伝統のちゃんこ鍋をアレンジして提供したのがはじまりだ。
その味は、ちゃんこのなかでももっともご馳走といわれる醤油味の鶏ソップ炊きといわれるもの。ちなみに鶏ソップ炊きとは、「鶏がらスープ炊き」が訛った言い方で、この店では、鶏がらプラス数種類の昆布から出汁を取っており、さっぱりした味わいのなかに濃厚な旨みとコクを含んでいる。鶏肉の上品な味わいもさることながら、この繊細かつ深みのある出汁でいただく締めのうどんも、あとを引く味だ。
またちゃんこ店には珍しく、女将が取り分けてくれるので、野菜や肉の火の通りもちょうどよく、最後までおいしくいただけるのも嬉しい。
初代から、ふぐは下関でも特においしいとされる南海産のとらふぐのみを使用。肉厚で歯ごたえのよさが堪能できる。

個室は6部屋と充実しており、1階には掘りごたつも用意されている。部屋には大鵬、柏戸や千代の富士など、往年の名横綱の手形が飾ってあり、老舗ならではの格式が感じられる。
ランチは予約のみ。「ちゃんこ昼コース」(4320円)と、「ふくと汁(ふぐの味噌汁)・ふぐ飯御膳」(4320円~)がある(価格はいずれも税込)。
正当派の繊細で上品な味わいちゃんこ。がっつり系とは一線を画す料亭らしいちゃんこといえる。

「ふぐ刺ちゃんこコース」(14040円税込)。先附、前菜、ふぐ刺、ちゃんこ鍋、うどん、フルーツ。写真は2人前

「ふぐ刺ちゃんこコース」(14040円税込)。先附、前菜、ふぐ刺、ちゃんこ鍋、うどん、フルーツ。写真は2人前

天然とらふぐは肉厚でボリューム満点の贅沢な味わい。ふぐの皮は部位によって味の違いが楽しめる

天然とらふぐは肉厚でボリューム満点の贅沢な味わい。ふぐの皮は部位によって味の違いが楽しめる

ゆったりくつろげる個室。接待や慶事、家族の集まりに使われることも
左から、柏戸、佐田の山、大鵬、栃ノ海の手形。貴重な品々に目を見張る
端正な門構え。老舗の品格を感じさせる

店舗データ

割烹かりや

【割烹かりや】
住所:東京都墨田区両国1-9-8
TEL:050-5870-1603(予約専用)
営業時間:11:00~14:00 ※ランチは予約のみ 17:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:日・祝日 ただし、予約があれば営業 (相撲の東京場所中は無休)
●東武スカイツリーライン浅草駅より徒歩約30分、タクシーで約10分

「手打ち蕎麦」吾妻橋藪そば

佇まいのよい蕎麦屋。信頼できるきめ細かい手仕事

東武スカイツリーラインの浅草駅から隅田川を渡ると、すぐ目の前に上品な雰囲気の蕎麦屋がある。
土日は行列のできる人気店で、この道40年以上の店主が、手打ちする蕎麦にファンがたくさんついている。
蕎麦はしっかりコシがありながら喉ごしのよい味わい。濃い口で辛みのあるつゆにぴったりマッチし、スルスルッと蕎麦つゆごと最後まで一気においしくいただける。もりは小700円、中1300円、大1900円(すべて税抜)とあり、ボリュームもしっかりあって、満足度が高い。
昼から日本酒を楽しむお客さんも多く、つまみになるわさび漬け、鳥わさ、そばがきも絶品だ。
化学調味料を一切使用していないのも、後口のよさを生んでいる。
「こだわりなんて気恥ずかしいし、たいしたことはしていない。普通の蕎麦屋だから」とにこやかに語る店主だが、随所に垣間見える素材の選定や、きめ細かい手仕事に、人気店なのも納得。
店内を仕切るのは奥様で、すっきりした気持ちのいい空間と、ご夫婦のほのぼのした雰囲気に、下町のオアシスのように感じる方もたくさんいるのではないだろうか。
一人客も多いそうなので、ぜひ昼から贅沢に、お酒と蕎麦を楽しんでみてはいかがだろう。

駒形橋のたもとの浅草通りと清澄通りが交差する一角にある

駒形橋のたもとの浅草通りと清澄通りが交差する一角にある

上品で落ち着いた和の空間。ゆっくりお酒を楽しむお客さんも多い。女性のひとり客も

上品で落ち着いた和の空間。ゆっくりお酒を楽しむお客さんも多い。女性のひとり客も

蕎麦打ちにかかせない木鉢。以前使用していたが使わなくなったものに、藪の彫りを入れた。今では立派なオブジェに
薄味をつけたなめこと、ピリッとした大根おろしが絡み合う「なめこおろしそば」(900円税抜)。普通より大きいなめこは濃いめのつゆにもよく合う
「わさび漬け」(300円税抜)。長野県安曇野産の天然わさびを細かく刻んで酒粕につけたもの。自家製でお酒の肴にぴったり

店舗データ

【吾妻橋藪そば】
住所:東京都墨田区吾妻橋1-11-2
TEL:03-3625-1550
営業時間:11:30~16:00
定休日:月・火曜
●東武スカイツリーライン浅草駅から徒歩約5分

「鮨」与兵衛鮨

鮨はもちろん、数十種類の旬のつまみと銘酒も絶品

地元の人たちに人気の江戸前寿司の店として、広く評判を呼んでいる。なんといっても魅力なのが鮨はもちろん、数十種類もある豊富なつまみとおいしいお酒。
お客さんの8割はおまかせで、刺身、煮物、煮魚、野菜、にぎりを、お客さんの腹具合を見ながらタイミングよく出してくれる。季節やその日の仕入れで何が出てくるかは、お楽しみ。たとえば穴子の稚魚「のれそれ」を使った料理など、なかなか食べられないような一品が多いのも人気の理由だ。
種類豊富で厳選された日本酒はどの銘柄も同じ価格で、お客さんとの話のなかで店がソムリエのように選んで勧めてくれる。伊佐美、森伊蔵をはじめ、手に入りにくい焼酎もあり、下町価格ともいえる安価で提供してくれるのも嬉しい。

観光客やはじめての人にも優しい店で、寿司、ちらしのいずれも並は1200円(税込)から提供している。慣れないようならまずはそこから頼んでみるのもいいかもしれない。

カウンターは全12席で、目の前で新鮮な旬のネタを握ってくれる。またカウンターだけでなくテーブル席もあり、ひとりでもよし、家族や友人とテーブル席でゆっくりくつろぐのもよい。
鮨好きはもとより酒好きにも嬉しい、新しい食の出合いが体験できる店といえる。

清々しい門構え。ちなみに江戸前寿司の元祖である「與兵衛鮓(よへいずし)」とは無関係

清々しい門構え。ちなみに江戸前寿司の元祖である「與兵衛鮓(よへいずし)」とは無関係

目の前で旬のネタを握ってくれるカウンター席

目の前で旬のネタを握ってくれるカウンター席

銘酒やつまみとともに、家族や友人と気兼ねなく楽しめる
特上寿司2500円(税込)。トロ2貫をはじめ車エビ、イクラ、数の子など7貫と、巻物と玉子。季節や仕入れ状況によってネタが変わることもある
春は生のシラウオや、ナマコ、焼いた空豆など、数十種類のつまみが揃う。のどぐろやキンキは定番。仕入れ状況や季節によって変更あり

店舗データ

与兵衛鮨

【与兵衛鮨】
住所:東京都墨田区業平1-15-2
URL:http://www.yoheizushi.com/
TEL:03-3623-6692
営業時間:11:30~14:00、17:00~22:00
定休日:月曜
●東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅より徒歩約3分