東京下町の歴史を楽しんだり、浅草やグルメを堪能しながら観光名所を巡る東京下町の観光情報誌

[2013年12月 更新]

おでんと惣菜、そして駄菓子。歴史ある商店街の名店を紹介

おでん「大国屋」、肉と惣菜「鳥正」、駄菓子屋「秋葉」、パンの「かめや」、酎ハイ街道の酒場「はりや」を紹介。

「おでん種」大国屋

60年以上守り続けたこだわりのおでん種

東武亀戸線の小村井駅、もしくは東武スカイツリーラインの曳舟駅から歩いて行ける墨田区京島の「下町人情キラキラ橘商店街」。
その東京スカイツリー®に近いほうの入口にあるのがおでんの「大国屋」。
創業は1953年(昭和28年)で、2013年で60周年を迎えた名店だ。

数種類の魚を仕入れ、こだわりをもって作るおでん種はすべて自家製。揚げたてが店頭に並べられている。
おでん種としての販売と、すぐに食べられるつゆの味が染み込んだおでんの両方があり、地方への発送も行っている。

2012年5月に開業した東京スカイツリー®だが、その半年前に「大国屋」では東京スカイツリーの形をした練り物が誕生していた。
また冬季は自家製煮こごりも人気商品のひとつ。

下町で暮らす家族の晩ご飯で、長年食卓の主役になってきたであろう伝統の味。値段もお手頃な設定なので、ぜひたっぷりと買って帰ってほしい。

「大国屋」

店舗データ

【大国屋】
住所:東京都墨田区京島3-48-8
TEL:03-3611-5289
営業時間:10:00~19:30

「チキンぎょうざ」鳥正 京島店

惣菜の種類の多さと味に脱帽

東武亀戸線の小村井駅、もしくは東武スカイツリーラインの曳舟駅から歩いて行ける墨田区京島の「下町人情キラキラ橘商店街」。
東京スカイツリー®方面から商店街をまっすぐ歩いてきて、先に明治通りが見えはじめたあたりに来ると、左手に肉と惣菜を売っている店がある。
「鳥正 京島店」だ。

おでんの「大国屋」のはす向かいにも看板に“ミート&デリカ”と書かれた「鳥正」という店がある。そちらも鶏肉を中心とした肉屋で、店頭で焼く焼き鳥をはじめ、おいしそうな惣菜がたくさん並べられている。
塩焼きスティック80円、鳥かわ煮130円、煮物各種220円などで、焼き鳥は肉・ネギマ・つくね・レバーが各60円だ。
こちらは「鳥正 本店」となる。

「鳥正 京島店」は「下町人情キラキラ橘商店街」で惣菜を売っている店のなかでもNo.1の呼び声が高い有名店だ。もちろん商店街の店は売り上げを競っているわけではないので、「どこがいちばん」などという考え方はしていないが。
鳥料理、煮物、焼き物、炒め物、揚げ物などメニューが50種以上あるので、多くのリピーターがおかずを買いに来る。

なかでも「チキンぎょうざ」は人気が高い。鶏肉とキャベツなどの7種の野菜を弾力のある鳥皮で包み焼き上げている。餃子の皮の代わりとなるチキンがきちんと主張していて、なかの餃子の具もそれに負けないくらいしっかりと味付けがされている。食べてみれば人気No.1というのも納得できる。

創業当時から人気がある定番商品の肉団子は、親鳥の肉と、軟らかいひな鳥の肉をミックスしたもので、どの商品も手づくり感たっぷりのオリジナル惣菜となっている。

埼玉県行田市の人気B級グルメ「ゼリーフライ」も並んでいる。基本的なゼリーフライは、ジャガイモやネギ、ニンジンやおからと小麦粉を混ぜ合わせ、小判型にして揚げたもの。日露戦争時代に中国から伝わったともいわれている。「鳥正」のゼリーフライは野菜が細かすぎたのか、それほど食感は感じられなかったが、モチッとしていて懐かしいソース味は行田市のものと遜色ない。

種類がたくさんある惣菜を見ていると、どれにしようか迷ってしまうほど。こんなお店が家の近くにあったら幸せだろう。

「鳥正 京島店」

目移りしてしまう惣菜の数々

揚げ物も充実

「チキンぎょうざ」と「ゼリーフライ」

店舗データ

【鳥正 京島店】
住所:東京都墨田区京島3-21-7
TEL:03-3611-6083
営業時間:0:00~19:30

「駄菓子」秋葉(秋葉商店)

優しい笑顔の店主に会える懐かしの駄菓子屋

東武亀戸線の線路近く、「下町人情キラキラ橘商店街」の手前、住宅街の狭間に小さな駄菓子屋がある。
「秋葉(秋葉商店)」。
間口も小さく、半分シャッターを閉めていることもあるので気付かない人もいるかもしれない。
お店はもう50年以上営業している。
店主はもと学校の先生の秋葉きくさん。優しそうな小さなおばちゃんだ。きくさんは子どもが好きだし、話をするのも大好き。教諭時代の教え子がいまや親になり、その子どもや孫までがお店にやって来るという。
当然ながら学校帰りの子どもたちが店に寄る夕方は賑やかになる。

以前は店頭にガチャガチャやコインゲームも置いていたのだが、いかんせんここは住宅街。白熱した子どもたちが騒ぐと近所迷惑になってしまうということで撤去してしまったらしい。

ニコニコしながら話をしてくれるきくさんの姿はとても優しく見える。ただでさえ駄菓子屋は懐かしさと相まって大人でも楽しめる空間なのに、きくさんの笑顔を見ていると、つい「明日も来るね」と言いそうになってしまいそうだ。

当然駄菓子は10円のものからある。しかし、大人だからといってあまり買い過ぎると、子どもたちの楽しみを奪ってしまうことになるので注意しよう。

秋葉きくさん。優しく話をしてくれる

店舗データ

【秋葉(秋葉商店)】
住所:東京都墨田区京島2-23-6

「カレー番長」かめぱん 立花店

オリジナルの惣菜パンがたくさんある町のパン屋

東武亀戸線の小村井駅から亀戸方面へ少し行ったあたり、徒歩約5分で着く「かめぱん 立花店」。地元の人もリピーターとなり、遠くからのお客さんも多いという。
暖簾に“かめぱん”の文字がかわいく躍っている。

店内は奥にパンを作る工房があって、商品は惣菜系のものから菓子パンまで種類が豊富。
夏には常温、冷蔵、冷凍で味が変わるオリジナルのクリームパン「アイスパン=愛すパン」という商品もあり人気だ。

「餃子パン」という餃子の皮の代わりにパンで具を包んだものは、最初の食感はパンだが、食べ進むと味は確かに餃子。
「ベーコンエッグパン」は半熟玉子ひとつがパンの上に乗せられている大胆な商品。ベーコンも大きめのものが乗せられていてボリュームたっぷり。

お客さんから名前を公募したというカレーパン、その名も「カレー番長」も人気が高い。
衣はサックサクなのにパン生地自体はふんわりと仕上がっていて、カレーはご飯にかけてもおいしそうなボリュームたっぷりなもの。油やフライヤーにもこだわって研究・開発された一品だ。
下町といえば洋食、洋食といえばカレーライス。その流れに新たに加わるかもしれない、下町といえば「かめや」のカレー番長だ。

「かめぱん 立花店」

店舗データ

【かめぱん 立花店】
住所:東京都墨田区立花2-1-11

URL:http://kameya-group.com/ (亀屋グループ)
TEL:03-3619-2223 

営業時間:7:00~19:00 火曜休

「ポテトサラダ ほか」はりや

酎ハイ街道へ行くなら寄ってみよう

国道6号線の四ツ木橋南の交差点から東武スカイツリーラインの鐘ヶ淵駅へ向かう一本道は、通称「酎ハイ街道」と呼ばれている。
下町では昔からハイボールといえば焼酎を使った焼酎ハイボールが定番で、その発祥がこのあたりという説があるのだ。
古き良きお店が点在していて、毎夜、多くの飲み助たちを酩酊させているようだ。

鐘ヶ淵駅周辺には戦前さまざまな工場が建ち並んでいた。この付近で創業したためにその名が付いた鐘淵紡績や鐘淵化学(のちのカネボウ株式会社。2007年に解散)など多くの企業が隅田川や荒川の水路を利用して発展していた。
しかし当然戦時中は工場が攻撃目標とされてしまう。
それでも残った民家や商店は戦後を生き抜き、いまなお活気ある町を作っている。

そんな鐘ヶ淵の駅西口を越えると商店街がある。そこを直進すると隅田川にぶつかるのだが、その手前の住宅街にも飲み助の心を捉える佇まいの店がある。
「はりや」という酒場だ。
創業は1931年(昭和6年)。白髪がかっこいい長身のご主人は2代目だという。ご主人が飲み物を作って料理を運び、奥で奥様が料理を作っている。
L字型カウンターと座敷席がある。

「キャベツいため」はもともとはキャベツを炒めたものだったのだが、お客さんに麺を入れるとおいしいよと言われたので入れはじめたという。結果、焼きそばになった。しかしメニューは「キャベツいため」のままなのだ。

人気メニューを聞くと、「ピリ辛ハンペン」がよく出るという。三角に切ったハンペンに袋状に切り込みを入れ、そこに明太子をぎっしりと詰め込んで焼いたもの。
簡単に作ったように見えるが、丁寧に仕事をしているのは感じる。それは「ポテトサラダ」で確信できる。玉子と野菜をたっぷりと使っているのだ。

下町の酒場の例に漏れず、カウンターは常連で埋まることが多い。しかし、ほとんどが気のいい酔っぱらい。一見(いちげん)だからといって冷たくされることはまずない。
「酎ハイ街道」で酔うなら、一度は訪れてほしい酒場だ。

「はりや」

「ポテトサラダ」。300円

「ピリ辛ハンペン」。しっかりと明太子が入っている。300円

ほぼ創業当時からあると思われるメニュー

酎ハイに合う料理ばかり。ご主人はカウンター内で座っている

店舗データ

【はりや】
住所:東京都墨田区墨田2-9-11

TEL:03-3612-9888
営業時間:17:30~24:00