東京下町の歴史を楽しんだり、浅草やグルメを堪能しながら観光名所を巡る東京下町の観光情報誌

[2013年12月 更新]

焼きカレー、焼きオムライスを紹介

下町の洋食のなかでも、オーセンティックなものではなくオリジナリティに富んだカレーとオムライスの変化球を紹介。墨田区の東武亀戸線沿線の3店舗で食べる「焼き・・・・・・」!

焼きカレー、焼きオムライスを紹介

東京下町のオリジナリティに溢れた
カフェ、食堂、洋食屋を紹介

東京下町といえば寿司や和食・・・・・・と決めつけるのは早計だ。

明治からその数を増やした「洋食屋」というのも下町にはしっかりと根付いている。
洋食といえば、ハンバーグやエビフライ、カツレツやコロッケが頭に浮かぶと思う。そして洋食メニューの人気ランキングでトップの座を争うかもしれないのが、カレーライスとオムライスではないだろうか。

洋食屋は、それこそ明治や大正に創業した店もある。しかしそれらオーセンティックなお店は別の機会に紹介するとして、今回は、開業して6~8年くらいのお店で、カレーやオムライスをスタンダードとはちょっと違うオリジナルな形で提供しているお店を紹介しよう。

曳舟・小村井・東あづま・亀戸水神・亀戸の5駅を走る東武亀戸線から、墨田区の曳舟駅と小村井駅近くのお店をクローズアップする。

東武亀戸線の小村井(おむらい)駅。欧文で「オムライ・ステーション」と書かれている。「オムライス」という文字が入っているね

14種のスパイスをオリジナルミックス
アツアツ焼きカレーはエスニック風味

東武スカイツリーラインと東武亀戸線の曳舟駅から徒歩約8分。細く小さな商店街「鳩の街通り」にあるカフェ「こぐま」は、昭和2年に建築された古民家をリフォームした雰囲気のいいカフェ。もとは薬局だったところで、アンティークなミシンや振り子時計をそのままインテリアとして使用し、壁の棚には陶器や古本などを配置して落ち着ける雰囲気を醸し出している。
木の温もりが感じられる店内で、女性がひとりでランチに来ることも多いというのもうなずける、ほんわりと優しい空気に満たされている。
10:30~18:00までランチメニューが食べられるのは嬉しい。ランチタイムを気にすることなく散歩をしてから立ち寄れる。

人気メニューのひとつが、2009年(平成21年)に誕生した「焼きカレー」(1000円)。
2006年(平成18年)の創業時からあるメニュー、自家製ひよこ豆のカレーに、卵とチーズを乗せてオーブンで焼き上げたものだ。
カレーには刻んだ生しょうがのほか、カルダモンやコリアンダーなど14種ものスパイスをブレンドしてオリジナルのエスニック風に仕上げている。
普通のカレーは白米にカレーをかけているが、焼きカレーはご飯にカレーを混ぜたものを焼いている。
表面がカリッとしたチーズをスプーンで割ると、中央にほぼ生の卵が現れる。色鮮やかな黄身部分を混ぜ込んで食べると、エスニックなカレーがややマイルドに味が変わる。
あとから少しだけ、ほんのりとシナモンの香りも感じられる、「こぐま」ならではのオリジナル焼きカレー。アツアツを食べれば心も体も温まる。

古民家カフェ「こぐま」

「焼きカレー」

「焼きカレー」の真ん中から卵登場

卵をたっぷり使った「焼きオムライス」は
「すみだブランド認証『すみだモダン』グルメ部門」受賞

「こぐま」のもうひとつのおすすめ人気メニューは、こちらもぜひアツアツを召し上がっていただきたい「焼きオムライス」(1000円)だ。
オムライスといえばケチャップライスだが、そこも「こぐま」はひと味違う。ひと味どころか、こちらも11種のスパイスをオリジナルミックスしているのだ。タイムやクミンなどが使われている。
そしていちばんの特徴は、たっぷり使った卵。厚さが2cm以上はあると思われる玉子で、やはり中央には半熟玉子が隠れている。スパイシーなご飯と一緒に食べると、ほかにはない味が口のなかに広がる。

「焼きオムライス」はその独創的な料理と味で、「すみだブランド認証『すみだモダン』グルメ部門」を受賞している。

料理も飲み物も「こぐま」らしいオリジナル性にこだわっているだけあり、「焼きカレー」「焼きオムライス」についてくるスープも、飲むとハッとさせられる。
基本はコンソメスープなのだが、ほうじ茶が入っているのだ。不思議なベストマッチに感心しながら、そのおいしさにいつの間にかリラックスしてしまう。

スイーツもすべて自家製で、随所にこだわりがある。
「あんみつ玉」(500円)は、信州の寒天でフルーツと北海道産の小豆を使った自家製餡を包み込んだ、半球状のかわいらしいデザート。寒天の水分量を調節しているため、ゼリーのような食感だが、ゼラチンは使っていない。
沖縄産の黒糖を使った自家製の黒蜜をかけていただこう。

オムライスの常識を破る「焼きオムライス」

「焼きオムライス」。セットのスープまで手が込んでいる

「あんみつ玉」。プルプルな寒天が新鮮

デミグラスソースで食べる
トロトロふわふわ玉子の「小村井飯(オムライス)」

東武亀戸線の小村井(おむらい)駅から徒歩約4分のところにある洋食屋では、その名も「小村井飯」という料理がメニューに書かれている。この料理、なんだかわかるだろうか。

小村井飯=オムライスだ。

店名は「Kitchen KAMEYA洋食館」。名前にある通り洋食を出している店。
オープンは2004年(平成16年)。地元の人はもちろん、東京スカイツリー®観光に来た人も足を伸ばして来るという。

4日間じっくり煮込んだ手作りデミグラスソースが自慢で、多くの料理にアレンジされているのが特徴。
「小村井飯」(980円)も玉子の上にかけられているのはケチャップではなく、デミグラスソース。ご飯はタマネギやベーコンとともに炒められたケチャップライスで、その上にトロトロの玉子がふんわりと乗せられている。半熟の玉子とデミグラスソースが混ざったマイルドな味わいが絶妙だ。
ふわふわトロトロの玉子だが、お好み次第でいわゆる普通の固い玉子焼きにも変更可能。注文のときに言えばOKだ。
ちなみに卵は契約農家から仕入れている。

洋食屋らしくハンバーグも好評だが、なかでも「ハンバーグ&ナポリタン」(980円)の人気が高い。デミグラスソースがかけられたハンバーグと、昔ながらのナポリタンスパゲティのコンビだ。
また「洋食屋のメンチカツ」(800円)も注文が多い。店主曰く、「お得な一品」とのこと。肉は合挽肉ではなくて、牛肉100%を使用しているのだ。


店名で気付く人も多いのだが、数軒隣のパン屋「かめや 立花店」を経営している会社の社長は、「Kitchen KAMEYA洋食館」店長のお兄さん。
この店で出しているパンや調理に使うパン粉は「かめや」から仕入れている。

モリっとした「小村井飯」

「Kitchen KAMEYA洋食館」
住所:東京都墨田区立花2-1-11
TEL:03-3619-0547

「小村井飯」の断面

ビーフがほろほろに煮込まれた
「焼きカレー」もトッピング可

小村井駅から徒歩約1分で着ける洋食屋もある。店名に惹かれる人も多い、「ハイカラ軒」だ。
居酒屋の暖簾も掛かっており、入口の隣にはお持ち帰りの窓もある、多彩な展開のお店。

カレーやナポリタンやオムライスにいろいろなトッピングができるし、うどんやそば、丼物までと、料理の種類がとにかく豊富。
なかでも人気の高い「焼きカレー」を紹介しよう。
グラタン皿に盛られたカレーライスにチーズを乗せて焼いたもので、カレーの具はポロポロに煮込まれたビーフと、ニンジン、タマネギ。ジャガイモは入れていない。
煮込まれていることとジャガイモが入っていないことで、ビーフシチューのような味わいもある。
焼かれたチーズの中央をスプーンで掘ると、やはり卵が登場。
お客さんによっては「辛い」という人もいるが、この卵を壊して混ぜることで辛さをマイルドに変えることができるとのことだ。
「ハイカラ軒」の味付けのベースはすべて関西系でもあるという。

「焼きカレー」にもトッピングができるというこのお店、なんでもアリといってしまうと乱暴に聞こえるが、とにかくメニューを見に来てほしい。
きっと「焼きカレー」だけでなく、ナポリタンやオムレツも食べてみたくなるはずだ。

「焼きカレー」(M700円)

こんなメニューが何ページもあるのだ。「焼きカレー」はS、M、L、LLがある

記事で紹介したグルメスポット

こぐま

「こぐま」

東武スカイツリーラインの曳舟駅から徒歩約8分。東京大空襲の被害を免れた小さな商店街「鳩の街通り」にあるカフェ「こぐま」。