両毛の歴史を楽しんだり、グルメを堪能しながら観光名所を巡る両毛の観光情報誌

[2014年4月 更新]

屋台のコーヒー、太田焼きそば、やきそバーガー

まだまだあります、両毛ならではローカルグルメの数々……。

「カフェ・アラジン」の「コーヒー」(足利市)

まさに「街角」で味わう、こだわりのコーヒー

足利市街を通る国道293号線が足利女子高校の横を抜ける角に、一風変わったカフェがある。名前は「カフェ・アラジン」。何が変わっているかといえばその店構え。なんと屋台のカフェなのだ。
夕刻。日が傾いてくるころにお店の営業は始まる。かたわらには椅子とテーブルが並べられ、屋台では年季の入ったポットから湯気が立つ。夜の帳が下りるにしたがって灯油ランプに灯が灯り、日付が変わる深夜まで営業は続く。
この場所で店を始めてすでに40年以上。もともとこのカフェを開いたのは、外国航路の船でコック長をしていた先代のご主人。ヨーロッパや中近東で寄港する街に並ぶテラスのあるカフェを目にして、「あんな店を開いてみたい」という思いからオープンしたのがこの屋台のカフェなのだそうだ。アラジンという店名もそこに由来しているとのこと。
屋台には夕陽に映えるモスクの絵が飾られ、看板には先代の手作りだという中近東の新月刀のレリーフが掛けられていて、どこかエキゾチックな雰囲気が漂う。
出されるメニューは1種類のコーヒーのみ。4種類の豆を使用したオリジナルのブレンドだそうだ。注文があるたびに一杯ずつこだわりのネルドリップで淹れていく。コーヒー豆にお湯が注がれるたびに、街角にはなんともかぐわしい香りが流れていく。
もちろん屋台ならではのウィークポイントもあり、それは天候には逆らえないということ。雨降りだったり風が強い日はお休みになる。
やってくるお客さんも老若男女を問わずさまざま。ずっと通いつめる年配のかたがいるかと思えば、部活帰りの高校生が先生に連れられてやってくることも。なかにはこのお店の噂を聞きつけて、わざわざ他県から訪ねてくる人もいるらしい。
お話しをうかがっている合間にも、ご近所の常連さんが、仕事の合間に一杯の安息を求めて次々にやってくる。もはや足利の街の風景の一部として欠かせない存在なのかもしれない。

夕闇が近づくと、今日も街角で店を開くカフェ・アラジン

夕闇が近づくと、今日も街角で店を開くカフェ・アラジン

コーヒーは注文が入るたびに一杯ずつネルドリップで丁寧に淹れられる

コーヒーは注文が入るたびに一杯ずつネルドリップで丁寧に淹れられる

ランプの灯りに照らされながらのコーヒーブレイク。心が安らぐひとときだ

ランプの灯りに照らされながらのコーヒーブレイク。心が安らぐひとときだ

お店の看板には、先代の手による新月刀のレリーフが光る

お店の看板には、先代の手による新月刀のレリーフが光る

店舗データ

カフェ・アラジン

【カフェ・アラジン】
住所:栃木県足利市有楽町836
TEL:090-7009-0188
営業時間:17:00~24:00(冬期は15:00~23:00)
定休日:不定休(雨・風が強い日休業)
●東武伊勢崎線足利市駅より徒歩約20分

「岩崎屋」の「太田焼きそば」(太田市)

見た目に驚く、黒い焼きそばのお味は?

群馬県太田市といえば、近年では秋田県の横手、静岡県の富士宮市と並んで、日本三大焼きそばの地として知られている。今回はそんな太田焼きそばのお店のなかでも老舗の「岩崎屋」の焼きそばをご紹介しよう。
「岩崎屋」があるのは東武桐生線治良門橋駅から歩いて10分ほどの場所。「岩崎屋」と書かれた染め抜きの暖簾をくぐってなかに入ると、お昼時は過ぎたというのに店内は大勢のお客さんで賑わっている。焼きまんじゅうやみそおでんといったサイドメニューはあるものの、メインとなるメニューは焼きそばのみという潔さだ。ただし、焼きそばのサイズ分けがハンパではない。小、中、大、特大、これくらいはまだわかる。しかしその上にはジャンボ、ダブル……と続き、「名はない」、「特に名はない」といったサイズにいたっては量の想像もつかない。ちなみに「特に名はない」というのは中サイズの5倍とのこと。最近、この「特に名はない」の上にさらに「食べられますか」というサイズができたそうで、こちらは中の6倍!
もっともお店のかたの話によると、これは特に大食いマニアのためにつくったメニューではないらしい。もともとは家族全員で食べに来たお客さんが、ひとつのお皿から仲良く取り分けて食べられるようにとの心遣いによるものなのだった。
今回は一人での訪問なので、いわゆる一人前にあたる「中」を注文する。待つことしばし。やがて運ばれてきた焼きそばを見て驚いた。全体が真っ黒いのである。別にイカ墨を使っているわけではなく、これはソースの色に由来しているとのこと。いくらなんでもこれはさすがにしょっぱいのではとおそるおそる口に運んでみると……、全然そんなことはない。最初の印象が強烈だったせいもあるかもしれないが、どちらかというとマイルドでさえある。聞くとベースは薄味に仕上げているそうで、物足りない人はテーブルに置かれているソースをさらにかけて自分で味を調整するのだそうだ。麺は太麺でモチモチした食感が楽しい。ソースは地元のソースメーカーのものをブレンドして使っているとのこと。具はキャベツのみというシンプルさだ。
ちなみに岩崎屋さんは今年で創業56年目。メニューに「太田焼きそば」という表記がないのが不思議だったが、よく考えたら太田焼きそばという言葉が誕生するずっと以前からこちらでは焼きそばを提供し続けてきたのだから、当たり前といえば当たり前の話かもしれない。

岩崎屋の外観。駐車スペースも広く取られ、クルマでやってくる人も多い

岩崎屋の外観。駐車スペースも広く取られ、クルマでやってくる人も多い

店内に張られたお品書き。焼きそばだけで9種類のサイズがあるのに驚かされる

店内に張られたお品書き。焼きそばだけで9種類のサイズがあるのに驚かされる

これが岩崎屋さんの焼きそば。出てきた瞬間はまずこの色にびっくりする

これが岩崎屋さんの焼きそば。出てきた瞬間はまずこの色にびっくりする

こちらはもうひとつの名物料理「焼きまんじゅう」。ふわっふわの食感に甘しょっぱい味噌だれがよく合う

こちらはもうひとつの名物料理「焼きまんじゅう」。ふわっふわの食感に甘しょっぱい味噌だれがよく合う

店舗データ

岩崎屋

【岩崎屋】
住所:群馬県太田市寺井町697-8
TEL:0276-37-0258
営業時間:11:00~18:00
定休日:火曜日
●東武桐生線治良門橋駅より徒歩約10分

「こばらベーグル」の「ポテト入りやきそバーガー」(足利市)

足利グルメグランプリ、2年連続受賞の栄誉に輝く

足利に「ポテト入りやきそバーガー」という謎の食べ物があるとの情報を得て、さっそく出かけてみる。「バーガー」というくらいだからやはりハンバーガーショップが作っているのだろうかと思いながらお店にいってみると、そこはなんとベーグル屋さん。焼きそば? バーガー? ベーグル? さらに深まる謎をお店のかたに尋ねてみた。
こちらのお店は「こばらベーグル」というベーグルの専門店で、オープンしたのは6年ほど前。ちなみに栃木県では初のベーグル屋さんだそうだ。こちらのベーグルの特徴は、生地を練るときに水はいっさい使わず、絹ごし豆腐で練っているということ。ちなみにその豆腐も、大豆は国産のみ、水は佐野出流原の名水を、さらに小麦粉は栃木県産のみを使用とこだわりの逸品。この方法によって、ベーグルにはそれまでよりさらに甘味としっとり感が増したのだそうだ。
さて「ポテト入りやきそバーガー」である。これは、もともとは足利名物であるポテト焼きそばをベーグルでハンバーガー状にするにはどうしたらいいか、試行錯誤を繰り返した末に完成したものらしい。具体的にはポテト入り焼きそばに衣をつけてカツのように揚げたものを、ベーグルではさんだというのがその実体だ。
これが完成したおりもおり、たまたま2010年から開催されることになった「足利グルメグランプリ」に出品したところ、2年連続でグランプリの快挙を達成したのだからすごい。
そんなお話を聞いて期待も高まったところで、いよいよ実際にいただいてみる。見た目は肉厚のメンチカツをはさんだハンバーガーのようだ。しかしそのカツ状の部分を食べてみると、なかにはぎっしりと焼きそばとポテトが入っている。これはかなりのボリューム感である。ちょっとコッテリしすぎではと思ったが、実際に食べてみると一緒にはさまれているたデミトマトソースのせいか意外にあっさり食べられる。またよくある焼きそばパンは、どうしても途中でモソモソ感が出てきてしまうものだが、このソースのおかげでそんな不具合もない。ベーグルのほうも、注文を受けてからもう一度こんがりと焼き上げているため、表面はカリカリで中はモッチリ。これは2年連続グランプリ受賞というのも納得である。
ちなみにこちらでは、現在「やきそ棒(やきそばー)」という新商品も絶賛発売中。これは両サイドにベーグルを、そしてやはりなかに焼きそばをはさみ込んで揚げたスティック状のスナックで、その形状から歩きながら食べるのにピッタリ。足利を訪れるときは、これを片手に散歩してみるのもいいかもしれない。

こばらベーグルの外観。店内にはイートインスペースもある

こばらベーグルの外観。店内にはイートインスペースもある

これがポテト入りやきそバーガー。一見カツバーガーのようにも見えるが……

これがポテト入りやきそバーガー。一見カツバーガーのようにも見えるが……

なかには焼きそば、そしてポテトがぎっしり入っている

なかには焼きそば、そしてポテトがぎっしり入っている

こちらは新製品のやきそ棒(やきそばー)。歩きながらも食べられるスティック状のスナックだ

こちらは新製品のやきそ棒(やきそばー)。歩きながらも食べられるスティック状のスナックだ

店舗データ

こばらベーグル

【こばらベーグル】
住所:栃木県足利市芳町25
TEL:0284-43-3318
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜日、木曜日
●東武伊勢崎線足利市駅より徒歩約20分