両毛の歴史を楽しんだり、グルメを堪能しながら観光名所を巡る両毛の観光情報誌

[2014年1月 更新]

うどん・麺の里、群馬県館林市を味わう

水沢、桐生と並んで群馬三大うどんに数えられている館林のうどん。小麦と水に恵まれたこの地のうどんをはじめ、それ以外のご当地麺類を堪能してみよう

うどん・麺の里、群馬県館林市を味わう

豊かな自然環境に育まれた館林のうどん

群馬県館林市は、利根川と渡良瀬川という大きな河川にはさまれていることから肥沃な土地と水に恵まれ、また日照時間も長いことから、良質の小麦の産地として知られてきた。そのため、館林市内には多くのうどん屋さんが点在し、その味を競っている。
また、うどんのみでなく、同時にそばを提供する店も多いことから、こちらのレベルもグングンと上昇中。今回は、館林に遊びに行ったら必ず寄ってみたいそんなお店をいくつか紹介しよう。

お食事処「花やま」の「分福茶釜の釜玉うどん」

愛くるしい器に目が釘付け

「花やま」は東武伊勢崎線館林駅前にある老舗のうどん屋さんだ。製麺からはじまったその創業は、なんと明治27年。駅前に店を開いたのではなく、店がはじめにできてその前に鉄道が通って駅ができたというのだから驚きである。その歴史に恥じないように、現在も地元産の小麦でうどんをつくり続けている。
こちらのオススメはやはり「分福茶釜の釜玉うどん」。分福茶釜といえばタヌキが活躍する昔話として有名だが、このお話の舞台になった茂林寺が館林市内にあることから、このうどんは分福茶釜のタヌキを模した器に入って運ばれてくる。テーブルに置かれた瞬間、そのユーモラスな姿に思わず微笑んでしまうことだろう。
ふたを開いてみると、なかには温かいうどんが盛られ、その上には海老、温泉玉子、油揚げ、かまぼこ、とさまざまな具がのっている。これに、添えられた出汁醤油を少しずつかけていただくと、温泉玉子がうどんにとろりとからまっていい感じ。ちなみにこの器。こちらのお店のオリジナルとのこと。
そしてもうひとつ。「花やま」には今年、新たな名物が誕生した。その名は「鬼ひも川」。これはきしめんのような幅広のうどんで、独特のトゥルンとした食感が魅力。こちらもタヌキを模した器(釜玉うどんとは別のデザイン)に、群馬県産の麦豚を添えて出される。パっと見には、盛りが控えめかなとも思うのだが、実際に食べてみるとなんのなんの。幅広いうどんだけに、すするだけでなく噛むことも必要で、食べ終えると想像以上に満腹感を満たしてくれる。
この「鬼ひも川」、うどんの日本一を決める2013年の「U-1グランプリ」において、なんと部門賞の第1位を獲得。その存在を一気に全国に知らしめることとなった。
定番の「釜玉うどん」か新進気鋭の「鬼ひも川」か。「花やま」では大いに悩むことになるだろう。

こちらが人気メニュー「分福茶釜の釜玉うどん(800円)」。具だくさんなのがうれしい

運ばれてくるときはこんな状態。なんともキュート

店舗データ

【お食事処「花やま」】
住所:群馬県館林市本町2-3-48
TEL:0276-74-0178
営業時間:11:00~15:30(平日)、11:00~15:00(土)
定休日:日曜日

館林うどん「うどん本丸」の「なまず天ざるうどん」

一度は食べたいナマズの天ぷら

「うどん本丸」は、製麺所「株式会社館林うどん」の直営店。入口には乾麺の販売所があり、その奥にあるお店で食事をすることができる。
こちらの定番メニューといえば、やはりもっちり、あつあつ、ゆでたてのうどんをいただく「釜揚げうどん」。うどん本来の味を味わえるうえ、からだも暖まるので寒い日にもぴったりだ。
もうひとつのオススメメニューは「なまず天ざる」。天ぷらが添えられるうどんは多いが、これはその名からもわかるようにナマズの天ぷらがついてくるという変わり種だ。利根川と渡良瀬川に挟まれたこの地域には沼が数多く点在し、そのため川魚料理が盛ん。そのためナマズもポピュラーな食材らしい。
実際にいただいてみると、上品な白身は天ぷらの種にぴったりで、海産の魚よりもさらにきめの細かな肉質だ。川魚ならではの臭みもまったくない。
応対してくれたお店の方のお話では、館林周辺は、もともとうどんは一般家庭でも普通に打たれていて、家ごとにそれぞれの味を持っているのだそう。子どものときは給食にもうどんが出て、大人になってからは、飲み会の締めはラーメンならぬうどんというのが一般的とのこと。昔は「うどんを打てないと嫁に行けない」とまでいわれたらしい。うどんの街の奥深さをあらためて再認識することとなった。

こちらが「なまず天ざるセット(1050円)」。ナマズの天ぷらをご賞味あれ。

シンプル・イズ・ベストの「釜揚げうどん(690円)」。小鉢がつく

店舗データ

【館林うどん「うどん本丸」】
住所:群馬県館林市本町3-8-1 館林うどんビル1F
TEL:0276-74-0145
営業時間:11:00~15:00
定休日:なし

まゆ玉うどん「もり陣」の「白鳥親子」

うどんにまゆ玉の粉を練り込んだ

「分福茶釜」の昔話で知られる茂林寺。そこからほど近い場所にあるのが、まゆ玉うどん「もり陣」だ。まゆ玉うどんというのは、なんとうどんの生地に、粉末状にしたまゆ玉を練り込んだもの。これは以前、先代が病に伏したときになんとか自分の健康を回復できるものはないだろうかと研究を重ねたうえに誕生したもので、全国でもこの製法をしているのはここだけという逸品だ。ちなみにまゆ玉には美容と健康によいとされるシルクアミノ酸が含まれており、さらにうどんの透明感も増すという。
このまゆ玉うどんと、黒米を練り込んだ黒いうどんが合盛りになったものが、こちらの人気料理「白鳥親子」だ。このネーミングの由来は、お店の近くにある茂林寺沼に飛来するハクチョウの親子の羽色に、二種類のうどんの色を見立てたものだ。一日限定10食なので、食べたい人は早めの来店がオススメだ。
館林界隈のうどん屋さんには、昼と夜の間に中休みを入れるところが多いのだが、こちらはうどんがあるうちは夜8時(日曜は7時)まで営業しているというのもありがたい。これは、茂林寺の参拝客がいつでも立ち寄れるようにとの優しい配慮。茂林寺を訪れたときはぜひ立ち寄ってみたい。

こちらが看板メニュー「白鳥親子(1350円)」二色のうどんに天ぷら、わっぱ飯、デザートまでついてボリューム満点。1日10食限定

店舗データ

【まゆ玉うどん「もり陣」】
住所:群馬県館林市堀工町1560
TEL:0276-75-0490
営業時間:11:30~19:00(日)、11:30~20:00(月・水~土)麺がなくなり次第終了
定休日:火曜日