日光の歴史を楽しんだり、温泉やグルメを堪能しながら観光名所を巡る日光の観光情報誌

[2013年9月 更新]

日光彫りを体験して、地ビールを飲み比べ

「日光東照宮」の装飾でも知られている日光彫り。東武日光駅前の「五十嵐漆器」で実際に好きな絵を彫る体験ができる。満足できる作品が完成したら、地ビールで乾杯しよう。

日光彫りの奥深さは体験して知る

東武スカイツリーライン浅草駅から特急スペーシアきぬ号に乗り、下今市駅で東武日光線に乗り換える。その終着点が東武日光駅だ。
駅を出ると正面には広いバス乗り場があり、休日ともなると多くの乗客で列ができている。
左には「日光金谷ホテルベーカリー」の看板が見え、いくつかの飲食店があり、右には湯波や土産物を売っているお店が軒を連ねている。
賑やかな観光地である。
ここからバスに乗り、ある人は日光東照宮や日光二荒山神社、日光山輪王寺など寺社仏閣をまわり、ある人はいろは坂を越えて華厳の滝へ行き、またある人はその先の奥日光湯元温泉へ行く。違う方向のバスでは、霧降高原や大笹牧場へも行ける。

東武日光駅。終着駅なので撮りやすいのか、駅構内で記念撮影をする人も多い

「木彫りの里工芸センター」へ

“見ざる言わざる聞かざる”の三猿で知られ、近年はパワースポットという話題でも注目を集めている日光東照宮。
この東照宮の荘厳な社殿を作ったときに生まれたといわれている、多彩な技法を使った“日光彫”というものがある。
霧降高原方面へ行くバスに乗り、丸美というバス停で降りて10分ほど歩くと「木彫りの里工芸センター」がある。
ここではさまざまな日光彫りの作品が販売され、2階には歴史の説明や展示物があった。木彫りだけでなく、竹で作る伝統工芸品の日光下駄の製作も見学できる。
また、ここでは日光彫りの体験もできる。日光彫りの大きな特徴は、鎌倉彫りのように丸刀などを前に押しながら彫るのではなく、“ひっかき刀”という角の付いた刃で手前に引いて彫っていく点だ。
実際にやってみるとわかると思うが、これがなかなか難しい。左手を添えて刃を誘導するらしいのだが、直線が難しい。いや、直線だけではなく曲線もうまく彫れない。ぜひ一度体験してみるといいだろう。

「木彫りの里工芸センター」

「木彫りの里工芸センター」。日光下駄の製作も見られる

「五十嵐漆器」で日光彫り体験

バス停の丸美を降りるとすぐ近くに「日光彫り」の看板がある。そこは東武日光駅近くの「五十嵐漆器」というお店で売っている商品を製作しているところだ。
この駅近くの「五十嵐漆器」という老舗でも日光彫りは体験できる。
手順は、まず紙に下絵を描き、次に彫りたい題材(丸盆や手鏡など)にカーボン紙を置きその上に下絵を置いて絵をなぞる。これで彫る題材に絵が写った。その絵を彫っていけばいい。
体験は人によってまちまちだが、平均して約90分かかる。
「五十嵐漆器」では、丸美のバス停近くの製作所で作られた盆や手鏡に、社長をはじめとした10人ほどの職人が日光彫りで絵を入れているという。実際に社長が彫ると、小さな手鏡に3分ほどでみごとな華厳の滝が完成する。彫る姿も力強く、そして滑らかで格好いい。ただし、滅多に人前では彫らないらしいので、「もし見られたらラッキー」くらいに思っていたほうがいい。

社長さんがあっという間に彫ってしまった華厳の滝

「日光ビール」の跡を継ぐものあり

「木彫りの里工芸センター」の近くには、日光で唯一の地ビール、「日光ビール」の醸造所兼直売所があった。残念ながら過去形になってしまう。
「日光ビール」は東日本大震災がきっかけで一時は休業し、結局そのまま廃業してしまったのだ。醸造樽が壊れたという情報もある。
現時点で、日光で醸造している地ビールはなくなってしまった。
だが、「日光ビール」のノウハウを持っている人が、宇都宮で地ビールを造っている。「栃木マイクロブルワリービール」がそれだ。

その情熱と思いを考えると、日光で造っているわけではないが、日光地ビールといいたい。
さまざまな種類のビールを開発・発売しているので、ぜひご賞味あれ。

中央が「日光マイクロブルワリービール」。日光で作っていないが、地ビールはある。飲み比べも楽しい