日光の歴史を楽しんだり、温泉やグルメを堪能しながら観光名所を巡る日光の観光情報誌

[2014年3月 更新]

「羊羹」を育てた街・日光の
和菓子文化を学ぶ

日光を代表する和菓子といえば、なんといっても「羊羹」。
羊羹を含む和菓子の歴史と、現代の日光の和菓子事情を調べてみよう。

「羊羹」を育てた街・日光の和菓子文化を学ぶ

日本のお菓子の歴史をひも解く。

スタートは果物や木の実。
それから中国の影響を受けて発達していった

古代の日本人は、おやつに何を食べてきたか。それは「木の実(古能実)」と「果物(久多毛能)」だった。その後、餅の加工が始まったり、飴が作られたりなどして、日本のおやつの土台が少しずつ育っていく。

そこからは海外の文化が大きな影響をもたらした。まずは中国。7世紀に遣唐使が中国から、「唐(から)果物」を持ち帰る。ここに米や麦をこねたもの、大豆や小豆に塩を加えて揚げたものがあった。

12世紀の鎌倉時代には栄西禅師が中国から茶ノ木を持ち帰り、日本に茶の湯が流行に。ここでお菓子作りの技術が進むことになる。

16世紀にはオランダ人から南蛮菓子(カステラ、コンペイトウ、ビスカウトなど)がもたらされた。

日光「湯沢屋」の酒まんじゅう

日光「湯沢屋」の酒まんじゅう

江戸時代に熟成する、和菓子の文化。
そして開国!

江戸に入ると外国文化の流入は、ほぼなくなってしまったものの、国が統一され長らく平和な時代が続いた。そのため、菓子を食べる余裕が生まれてきて、実は江戸時代にて和菓子が独自の発展し、熟成を遂げるのである。参勤交代で菓子が献上されるようになったことも菓子の発展に多いに影響した。羊羹・饅頭など日本を代表する和菓子は江戸時代に完成され、今もその形を大きくは変えていない。


鎖国文化が解かれると、西洋菓子と呼ばれるものが入ってきた。オーブンが輸入され、焼き菓子・栗まんじゅうやカステラまんじゅうなども生まれてるようになった。

「日光カステラ本舗」のカステラ。カステラは古くから東照宮に献上されていたという

「日光カステラ本舗」のカステラ。カステラは古くから東照宮に献上されていたという

日光の和菓子達は、どうなっているのか

門前町として発展し、羊羹の名菓を作ってきた日光

日光を代表する和菓子は、なんといっても、羊羹だ。二荒山神社・輪王寺・東照宮という重要な二社一寺がある門前町として、参詣者のための甘味処が数あり、そこからお土産として、発展していったものだと思われる。大いなる自然に抱かれて、お水が美味しい土地だということも、名菓として育った理由であろう。

そもそも日本の羊羹は蒸し羊羹だったが、340年ほど前、捨てられたトコロテンから偶然、寒天が生まれた。この寒天のおかげで練羊羹が誕生。日持ちがぐっとよくなっていた。徳川家4代将軍・家綱の時代だ。

もともとは冬の閑散期に、神社や僧侶達が食していた甘味、つまり贅沢な高級菓子だったのだが、やがて参詣者達のお土産にもなっていく。

江戸から日光までは歩くと1週間くらいかかるとされているが、練羊羹(日光では煉羊羹と記す)は最高によい土産ものだったのだろう。なにせ当時、砂糖は貴重なものでもあった。

東武日光駅あたりから、二社一寺に向かう日光街道には、ひしや・三ツ山羊羹本舗・吉田屋羊羹本舗・鬼平の羊羹本舗などといった、老舗中の老舗が店舗を出している。これらの店は羊羹しか扱っていない。

また綿半・湯沢屋・補陀洛本舗といった老舗店も軒を並べているが、こちらは羊羹のほか、まんじゅうなど和菓子の甘味を各種作って出している。この周辺の和菓子は、かつて田母沢御用邸に大正天皇が静養にいらしていた時代に、「御用達」として扱われていたこともあり、味のレベルはたいへん高い。

「ひしや」の「煉羊羹」

「ひしや」の「煉羊羹」

「湯沢屋」の店構え

「湯沢屋」の店構え

「綿半」のまんじゅうをしまう箱

「綿半」のまんじゅうをしまう箱

「三ツ山羊羹本舗」の「煉羊羹」
「補陀洛本舗」の「補陀洛饅頭」
「綿半」の「日の輪」
日光街道

近年はレトロ洋菓子を
現代風に甦らせてヒット商品を出している!

日光では近年、レトロ菓子が甦っており、カステラやバウムクーヘンなどの名店ができているのも特筆に値する。前述したとおり、カステラは16世紀に南蛮菓子として日本に入ってきたもの。しかしオランダに行って「カステラ」といっても、こんなお菓子は出てこない。すっかり日本のオリジナルとなってしまったのだ。

またバウムクーヘンは、大正時代に、ドイツ人ユーハイム氏によって初めて日本にもたらされたものだ。
日本初の外国人専用の宿「金谷ホテル」を作り、外国人を招き、西洋文化をいち早く取り入れた日光には、実はぴったりのお菓子といえるかもしれない。

それになんといっても長い年月の隔たりと、創意工夫によって、新しい味になってきている今。西洋からやってきたお菓子も、そろそろもう日本に国籍を持つ菓子、といってあげてもいいのかもしれない。

「日光カステラ本舗」の「金箔入り日光カステラ」

「日光カステラ本舗」の「金箔入り日光カステラ」

「バウムクーヘン工房 HACHIYA」の「ろっくバウム」

「バウムクーヘン工房 HACHIYA」の「ろっくバウム」