日光の歴史を楽しんだり、温泉やグルメを堪能しながら観光名所を巡る日光の観光情報誌

[2013年9月 更新]

奥日光湯元温泉から華厳の滝まで

奥日光湯元温泉で硫黄泉に浸かったら、いろは坂方面へ戻り、光徳温泉に寄って日本三大名瀑のひとつ、「華厳の滝」を観賞。その後、日帰り温泉に入っても可。心身ともに癒されてからいろは坂を下ろう。

いろは坂を越えれば滝と硫黄泉の温泉郷

「奥日光」は、栃木県日光市に広がる男体山や女峰山などの日光連山から、西にある湯ノ湖を越えた先の金精峠(こんせいとうげ)東麓あたりまでの地域を呼ぶ。
いろは坂を上りきったあたりから奥日光と呼ぶこともあり、その場合は中禅寺湖も含まれる。
公式に地区名として「奥日光」が使えているのは、国有林として管理されている地域に隣接している湯元温泉だけだ。その湯元温泉は、日光山開山の祖である僧の勝道上人によって788年(延暦7年)に発見されたといわれている。多くの観光客が訪れる温泉街で、自然に囲まれた秘境ゆえ、ネイチャーウォッチングやスキーも盛んに行われている。自然に身を委ねて、壮大さや美しさを全身で感じるのが奥日光の楽しみ方だ。

奥日光湯元温泉には、勝道上人が温泉を発見した、温泉に入れるお寺として知られる「温泉寺」がある。有料で入れる日帰り温泉だ。
温泉寺の横には源泉が広がっている。ボコボコと地中から湧き出ている硫黄泉は、場所によって温度が違う。ブシューっと吹き出す小さな間欠泉もある。

近くには誰でも入れる足湯「あんよの湯」もある。30分ほど浸かってから乾かしたら、驚くほど足がしっとりした。
やはりお風呂にはゆっくり浸かるのがいいようだ。

奥日光湯元温泉の源泉。ぶくぶく湧いている

湯元温泉から南へ。湯ノ湖から流れる
湯滝にお不動様が浮かんだ

岩肌を滑るように流れる湯滝に癒され

湯元温泉の南には、湯ノ湖から溢れる湖水が、三岳の溶岩流によってできた岸壁を流れ落ちる、高さ70mの湯滝(ゆだき)がある。
国道の入口から坂を下り歩いていくと、滝の姿は見えないのだが、水が流れ落ちる音が段々と大きく聞こえてきてワクワクする。
土産物屋と食事処がある「湯滝レストハウス」を越えると、突然眼前に湯滝が現れた。
近い。

真下に落ちるのではなく岩肌を流れ落ちる形なのだが、水量も多く、最大幅25mという滝はやはり迫力がある。
滝壺の前に観瀑台があり、平日でも多くの人で賑わっている。2010年には、滝の下の方にお不動様が姿を現したといわれており、その姿が見えたら御利益があるらしく、パワースポットとしても注目を集めている。栃木の景勝百選のひとつだ。
ここから湯川の流れる方向へ進み、落差僅か5mながらその美しさで人気の小滝方面へ行って戻ってくる1周1.4kmの散策コースもある。

湯滝レストハウスでは炭火で焼かれる「草だんご」「ゆず味噌焼きだんご」(各300円)や「あゆ塩焼き」(500円)などが売られている。
きのこの出汁で食べる「ちたけそば」(980円)や日光名物「ゆば天」(530円)なども食べられる。「ちたけそば」のつけ汁は茄子なども入っていて、とても具だくさん。食べ応えがある。

湯滝に向かって右側に階段があり、湯ノ湖へと出られる。そこからは滝を上から見ることもできる。距離は約400m。「湯川遊歩道」と書かれているだけあり、段差もきつくないし階段がしっかりと整備されている。
登りきると滝の真上から先ほどいた観瀑台を見下ろせる。人が小さく見える。
そして横を見ると湯ノ湖が広がっているという素晴らしいシチュエーション。
湖畔の散策路は涼しくて景色もいい。ぜひ散歩をしてみてほしい。1周すると約70分かかる。

湯滝。正面に御不動さんの姿が現れた

湯滝レストハウスの「ちたけそば」と「ゆば天」

国道を横道に入ると光徳温泉がある

湯元温泉から国道をいろは坂方向へ進んで、ちょっと曲がったところにあるのが、光徳温泉。
唯一のホテルは、「日光アストリアホテル」だ。
ホテルのすぐ前に光徳牧場があり、広大な敷地内で牛たちがゆったりとした動きで草をハモハモと食んでいる。柵の周りでは写生をしている人たちがいることもある。
この牧場は、特に乗馬コーナーや乳搾り体験などがあるわけでもない、のんびりとしたところ。
敷地の一画に売店があり、バーベキューレストランと土産物屋さんがある。その横では牛乳とアイスクリームが売られている。もちろんここの牛たちの乳を使ったものだ。アイスクリームは濃厚でおいしい。

国道へ出てしばらく行くと三本松に着く。
レストランや土産物屋があるSA的な場所の近くに戦場ヶ原の展望台がある。

戦場ヶ原という名称から、「昔、ここでなにか戦いが行われた?」と思う人も多いかもしれないが、この名の由来は伝説から来ている。
中禅寺湖をめぐる領地争いをした男体山の神と赤城山の神が争ったのが、この400ヘクタールの湿原だったという話だ。
ここの展望台からは広い湿地帯を見渡すことができる。南側を歩くこともできるが、3時間近くのハイキングを覚悟して歩こう。

「光徳牧場」。広い敷地で牛たちがゆっくりと草を食べている

奥日光三名瀑のひとつ、華厳の滝の迫力に唖然

いろは坂の手前まで戻り、「中禅寺温泉」バス停で降りると華厳の滝までは徒歩約3分だ。
売店や食事処があるところから下を覗くとそこに華厳の滝が見える。上から見る形だ。
正面から見るには、滝正面の展望台に向かうエレベーターを利用する。
この高速エレベーターは、昭和5年にできた100mを昇降するもの。高速とはいえ、つらい加速度を感じることはない。昭和5年制作だから優しいのかも。
エレベーターを降りてから歩く地下道はひんや~りしている。真夏は気持ちいい。
下り坂と階段を経て出たところが正面の展望台。

湯滝のてっぺんからの景色もかなりいいが、垂直に落ちる雄大な滝は真正面から見たいもの。
展望台は3階に分かれていて、それぞれから華厳の滝以外の滝もいい角度で見られるようになっている。
ここには「涅槃の滝」「般若の滝」などがあり、すべて釈迦の五時教から名付けられているという。
華厳の滝が間近で見られるようになったのは明治33年。

四季や水量でその表情を変える華厳の滝は、その高低差約97m。滝そのものの迫力や美しさはもちろんだが、自然に削られていった岩盤など、周囲にもたくさん見どころがあるので、この展望台ではぜひクルクル回っていろいろなものを見てほしい。
第2いろは坂中腹にある明智平ロープウェイに乗り、明智平からの遠景を望むのもいい。中禅寺湖や男体山と華厳の滝が一望できる。
近くの東武バス乗り場から歩いて行ける中禅寺温泉の「日光レークサイドホテル」では日帰り温泉入浴ができる。
ここで最後の温泉を堪能してから帰路につくのもいいだろう。

華厳の滝。四季によって表情を変える。いつ見ても感激はあるはず