日光の歴史を楽しんだり、温泉やグルメを堪能しながら観光名所を巡る日光の観光情報誌

[2014年4月 更新]

蕎麦畑に囲まれた、日光の蕎麦屋で
「本物の蕎麦」の味を堪能する!

今市や会津を含む地方を中心として、蕎麦作りが盛んだった日光では、蕎麦屋で出される蕎麦のレベルが圧倒的に高い!
地元の蕎麦粉を自家製粉してお客様に出してくれる、本物の蕎麦の味を堪能しよう!

※ここで記載されている価格は2014年4月1日現在の税込み価格です

蕎麦畑に囲まれた、日光の蕎麦屋で「本物の蕎麦」の味を堪能する!

「石臼挽きそば 古代村」

自家製粉した十割蕎麦を、茹でずに蒸して提供。
江戸時代の蕎麦を再現する、通の店「石臼挽きそば 古代村」

美味しい蕎麦が自慢の日光でも、トップの味を誇るのがここ、古代村。

東武鉄道・鬼怒川線から相互乗り入れする、野岩鉄道が中三依に開通した1986年に、オープンしたのが、この店。この辺りは縄文・弥生時代の複合遺跡が残る場所だったので、鉄道開通と共に、石斧や矢じりなどの展示館として開業した。「古代村」と名付けられたのは、そのためだ。

その際に「ちょっとした食べ物を出したほうがいいのでは」という意見があり、近所で購入してきたゆで麺で、蕎麦&うどんを提供していたのだという。蕎麦に関してはそんな軽い気持ちだったし、「そもそもサラリーマンだったし、蕎麦に関してはまるで素人だった」という店主が、変貌を遂げて、通の間で話題になる蕎麦屋の名店になった理由とは…。

どういうご縁なのか、お客さんに蕎麦の通が次々に集まり、次々に指導を与えていったのだそうだ。店主・塩生雅典氏はそれに反発することなく「俺は蕎麦に関しては素人だから」と、ひとつひとつ意見を聞き、考察を重ねていった。東京に行き蕎麦の打ち方を学んだし、近所のおばあちゃんにも学んだ、という。

そのうち「自分がやりたいのは、十割蕎麦だ」ということに気がつき、今までの蕎麦・うどん作りをやめて、十割蕎麦だけにしたのだという。15年前のことだった。

そもそもこの辺りは、蕎麦作りの盛んな土地。「おやつに父親がそばがきを作ってくれるような幼少時代を過ごした」と塩生氏は言う。そば粉にお湯をかけて練り合わせ、砂糖と醤油を掛けて食べるシンプルなものだ。それはまさに十割蕎麦の味だ。塩谷氏はその原点に戻ってみたのだ。

そのうちに蕎麦自体も、店の周囲に作った畑で収穫して打つことになっていったのだという。

ここで何があっても食してみたいのは、他では食べられない「蒸し蕎麦」1400円だ。こちらのメニューは6年前からスタートしたばかりだが、蕎麦を茹でて食べる以前の、江戸時代の作り方で、せいろで蒸したものを食べる。

せいろのふたを開けると、蕎麦の香りが強く立つのに驚かされる。太めの麺で、歯ごたえがあり、噛むほどに甘味が増してくる。

やはり昔のやり方に習って、つゆの他に、塩(伊豆大島の天日干しの塩)が添えられる。塩だけで蕎麦を食べると、蕎麦の味がより引き立つ。昔はつゆというものがなく、このように塩だけで食べていたのだそうだ。塩だけで食べる蕎麦は、蕎麦の味が引き立ちたまらない。

もちろん「せいろ蕎麦」750円~も美味い。こちらは「蒸し蕎麦」に較べると、エレガントな感じだ。

「蒸し蕎麦」と「せいろ蕎麦」のどちらも食べられるお得な「さくら」1000円があって、これを頼んだら、まずせいろを食べ、それから蒸し蕎麦を食べると、舌の上でくっきりとどちらの味も浮かび上がるだろう。

ここに日本酒(冷酒800円)が加われば、蕎麦・塩・日本酒のトライアングルで、いつまでも食べ終われない気がしてくるほどだ。日本酒は、会津のお酒を用意している。実はこの辺りは会津の文化圏だ。

たくあんが小皿で添えられるが、こちらは塩・ぬか・柿の葉などでつけ込んだ自家製。これがまた、蕎麦つゆの薬味となる辛み大根とぴったり合って、箸が止まらなくなってしまう。

東武鉄道・鬼怒川温泉駅から新藤原駅方向へ、さらに野岩鉄道に乗って中三依温泉駅で降りる。そこから歩いて約10分。ちょっと遠いが、間違いなく感動の味を体験することができるだろう。

お土産には、そばの蜂蜜(180グラム)840円ほか、十割蕎麦粉(100グラム)250円などがある。

「蒸し蕎麦」。実際は上のせいろ分を食べ終わる頃に、下にあたる二つ目を持ってきてくれる

「蒸し蕎麦」。実際は上のせいろ分を食べ終わる頃に、下にあたる二つ目を持ってきてくれる

「せいろ蕎麦」。山菜などを小皿料理もON

「せいろ蕎麦」。山菜などを小皿料理もON

伊豆大島から取り寄せた塩。これで蕎麦を食べてみて!

伊豆大島から取り寄せた塩。これで蕎麦を食べてみて!

濃厚なそば湯。開店して10人目までは、この濃厚さが出ないので、蕎麦粉を足して、調節しているのだという

濃厚なそば湯。開店して10人目までは、この濃厚さが出ないので、蕎麦粉を足して、調節しているのだという

石臼を自分で挽く体験もできる!

石臼を自分で挽く体験もできる!

「会津 ほまれ」

「会津 ほまれ」

「古代村」の周りはぐるり蕎麦畑。ここで収穫したものをメインにお店に出しているそう

「古代村」の周りはぐるり蕎麦畑。ここで収穫したものをメインにお店に出しているそう

そばの蜂蜜

そばの蜂蜜

店舗データ

石臼挽きそば 古代村

【石臼挽きそば 古代村】
住所:日光市中三依688-1
URL:http://www.kodaimura.com
TEL:0288-79-0520
営業時間:11:00~15:00
定休日:木曜 ※12~3月は休業
●東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅から新藤原駅方向へ、野岩鉄道に乗り中三依温泉駅で下車。そこから徒歩約10分

「三たて蕎麦長畑庵」

蕎麦しかメニューにない! 3合、5合、一升でオーダーする!
本格的な蕎麦屋「三たて蕎麦長畑庵」

蕎麦畑の中にぽつんと立つ、蕎麦屋さん「三たて蕎麦長畑庵」。ここはまさに地元の蕎麦で育ってきた、サラブレッドたちが蕎麦を打つお店だ。蕎麦のほかに売り物はなく、天ぷらなどサイドオーダー品が全くない。まさに蕎麦通のための店なのだ。

そもそも、このあたりは、土地がやせている。気温も低い。だから作物が育ちにくかった。が逆に、蕎麦にとっては格好の土地だった。土を掘り起こすと、石が出てくるところをみると、どうやら昔河川があったらしく、水はけもよい。さらにこのあたりの水の良さも手伝って、本当に美味い蕎麦が、安定して収穫できる。だからこの辺りで生まれ育った人間は、一昔前なら皆、蕎麦が打てて当たり前だったという。

その蕎麦の名産地に、長らく蕎麦屋というものはなかった。初めて蕎麦屋としてオープンしたのがこの「三たて蕎麦長畑庵」だ。平成4年に、村おこしの一環として何かできないか、ということで、組合でスタートさせたのだ。いわゆる「農村レストラン」の走りで、オープンすると間もなく話題に。休日になると、この農地の道に、車が何十メートルも連なるほどだったという。

今は近辺にいくつか蕎麦屋ができて、車の行列は見られなくなったが、ここの蕎麦は確かに美味い。

まず最初に、冷たいそばをつゆにつけず口に入れた時、ほんの少しだけ蕎麦が香り立つ。上品で、まるで清水をすすっているかのようなエレガントさを感じさせるのだ。冷やし加減も、冷たすぎることなく、ちょうど良い。蕎麦は機械を一切使わず、手で打って、切っているのだという。つなぎには地元の卵を使用。LLサイズのものを惜しみなく使うのだそう。つなぎと蕎麦割合は、3:7になる。

だしは鰹をメインに、昆布、サバを少々使用。

そば湯がまた、濃厚で美味い。熱々で出されて、ほんのり甘く、ふくよかさを感じさせる。何杯も飲みたくなってしまうこと、間違いなし。

さて蕎麦の頼み方だが、通常通り「もりそば」「かけそば」「ざるそば」などとオーダーすれば良いのだが、2人以上で行く場合は、「2合打」「3合打」などで頼むのが、通。男性だと、2合が1人前と考えればよい。2人で行くなら4合打を頼んで、1枚の大きなざるにのせられた蕎麦をシェアするのだ。お値段もこちらのほうがお得。

あたたかな季節になったら、外の席で食べるのもいいだろう。見渡す限り蕎麦畑で、「今自分が食べている蕎麦は、ここで収穫されたものなのかなあ」なんて考えると、にんまりしそうだ。

こちらで3合打ち。大の大人だとこれくらいイケるかも…

こちらで3合打ち。大の大人だとこれくらいイケるかも…

「三たて」とは、「挽きたて・打ちたて・茹でたて」のこと

「三たて」とは、「挽きたて・打ちたて・茹でたて」のこと

畑の中にぽつんと立っています!

畑の中にぽつんと立っています!

椅子席の他、お座敷席も

椅子席の他、お座敷席も

お天気のいい日は、外でも食事できます!

お天気のいい日は、外でも食事できます!

お店の周囲は見渡す限り、蕎麦畑!

お店の周囲は見渡す限り、蕎麦畑!

店舗データ

三たて蕎麦長畑庵

【三たて蕎麦長畑庵】
住所:日光市長畑635-1
URL:http://www.nikko-teuchisoba.org/tenpo_details.shtml
TEL:0288-27-2488
営業時間:11:00~16:00
定休日:火・金曜(祝日にあたる場合は、その翌日)
●東武日光線明神駅から歩いて約30分。あるいは東武日光線下今市駅からタクシーで約20~30分

「平家そば 志おや」

山菜や舞茸と共に、
会津地方の蕎麦の味を楽しむ「平家そば 志おや」

湯西川温泉は、昔からお湯の良さが有名で、何日もここに宿泊して湯治に専念するお客が多かった。昔の湯治客は今と違って、炊事は共同の厨房を使って自炊するのだが、蕎麦は湯治客では作れない。「なんとか蕎麦が食べられないだろうか」という声の中で、60年ほど前に生まれたのが、塩谷さんが始めた「平家そば 志おや」だ。

このあたりはもともと米が収穫できないので、蕎麦を育てて、自分の家で打って食べるのが普通だったのだ。だからここで食べる蕎麦は本気で美味しい。


蕎麦通に勧めたいのは、「山菜おろしそば」900円。太めの麺で、硬め。しこしことした歯ごたえを感じさせながら、ふんわりと蕎麦の香りと味が漂うのがたまらない。だしはサバ・かつお・昆布から取ったもので、薄めで、あくまで蕎麦の引き立て役に徹し、蕎麦の味を引き立ててくれる。

山菜はこの辺りの人がよく食べる最もポピュラーな食材だから、と選んだそうだ。これに薬味として、春は家で収穫した山椒、夏はみょうが、冬は今市の柚子が添えられる。

〆のそば湯も、温かくトロリと濃厚で、最後まで満足させてくれること間違いなし。

温かな蕎麦が食べたかったら、「平家そば」1000円を選ぼう。実はここの一番人気のメニュー。山菜と舞茸がついてくる。舞茸のぷりぷりした食感もまた、たまらない。

ここでは「そばがき」800円も食べられる。くせがなく、しっとり柔らかで、もちもちした食感を味わおう。添えられたかつお、ネギ、わさびと共にだし汁で食べるのもよし、塩(アンデスの岩塩)を付けて食べるのもよし。

さて現在ここの店主は三代目。おばあちゃんから、お母さんからと店を譲り受け、常に味の研究をしているという。近く蕎麦のデザートもメニューに出してみたい、とのこと。

湯西川温泉は、もともと会津地方なので、蕎麦は会津のものを使っている。それだけでも、今市の蕎麦を使うことが多い、日光市街の蕎麦と食べ較べてみるのも楽しいかもしれない。

湯西川温泉に来たら、お昼には必ずここに立ち寄って欲しい。温泉街中心の湯前橋のすぐ近くにあるので、見つけるのはたやすいはず。

「山菜おろしそば」。まずは蕎麦そのものの味を存分に味わったら、山菜とミックス!

「山菜おろしそば」。まずは蕎麦そのものの味を存分に味わったら、山菜とミックス!

「平家そば」。志おやで一番人気のメニュー

「平家そば」。志おやで一番人気のメニュー

「そばがき」。温かくホクホク。だしと塩、どちらも試してみて

「そばがき」。温かくホクホク。だしと塩、どちらも試してみて

湯西川温泉で最も有名な平家の集落3軒の向こうに、立地している

湯西川温泉で最も有名な平家の集落3軒の向こうに、立地している

ここ「平家そば 志おや」の真向かいは、慈光寺なので、すぐみつかるはず

ここ「平家そば 志おや」の真向かいは、慈光寺なので、すぐみつかるはず

窓から見下ろせるのは、平家の集落
「平家そば 志おや」の建物は、100年ほど前に建てられたものだそう。丁寧に使われている様子が伺えます!

店舗データ

平家そば 志おや

【平家そば 志おや】
住所:日光市湯西川990-2
URL:http://yunishikawa-kawamata-okukinu.jp/77.html
TEL:0288-98-0434
営業時間:11:00~15:00
定休日:不定休
●東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅から新藤原方向に向かい、野岩鉄道湯西川温泉駅で下車。そこから日光交通バス「湯西川温泉」行きに乗り、伴久旅館前で降りて徒歩約3分

「そば処 報徳庵」

二宮尊徳ゆかりの建物「報徳仕法農家」で
蕎麦と天ぷらを味わう「そば処 報徳庵」

水車を飾りに飾った上今市の駅舎から、清々しい日光杉街道(国の天然記念物)を歩くこと約10分、右手に公園が現れる。そこには江戸時代を思わせる古民家が2軒立っている。手前がお土産屋さん、奥がお目当ての蕎麦屋「そば処 報徳庵」だ。

この素晴らしいロケーションに位置する2軒の建物は、旧・今市市が平成4年に「村おこし」のひとつとして、作ったもの。二宮尊徳が建てたという、報徳仕法農家を復元したものだ。

市のお声掛けで、蕎麦屋を経営するのは、この辺りの住人達で、およそ15世帯から始まった。だからここで働いている人達は皆、このあたりの「普通のおばちゃん&おじちゃん」で、主に農家の人なのだ。蕎麦好きの会長の味指導のもと、にこにこ笑顔の店長の上吉原ユミ子さんが、現場を切り盛りしている。

一番の人気は、冷たい蕎麦なら、「天ざるそば」1290円。今市の名物の蕎麦を自家製粉して、二割の小麦粉でつないだ二八蕎麦だ。この辺りの水の良さが美味い蕎麦を育てているらしく、蕎麦はしっかりとしているが、喉越し良く、さらりと美味い。ボリュームはたっぷり。だしはかつおベースで作っている。

付いてくる熱々の天ぷらの素材(舞茸・かぼちゃ・春菊・なす・にんじん・たまねぎなど)はなるべく地元ベースのもの。地元産のものを、地元のおばちゃん達が作るわけだから、食べる方も、心があたたかくなる。

温かいそばだと「金次郎そば」1130円が人気。舞茸などキノコ類、山菜にとろろとネギを入れた、いかにも田舎らしい趣きでほっとさせる。

蕎麦食いの「通」は仲間と来て、「五合打ち」や「一升打ち」をオーダーするが、女性や子供などは「損得そば」をオーダーすることも。「損得そば」は「尊徳」の掛けことばで付けた名前ではあるが、実は量が少ないので、値段も安いが、損なのか得なのかは自分で考えて欲しい、という意味合いもあるのだそう。

蕎麦を食べて、まだ胃袋に余裕があったら、おすすめするものがある。春先までのメニューだが「いもくし」410円だ。こちらは店長の家の畑で穫れた里芋を煮て、ゆずベースのネギ味噌で仕上げたもの。

〆のスウィーツが欲しい人向きには、「おしるこ」360円もある。

心と胃袋が満ちたなら、腹ごなしに、また杉並木の間を帰っていくのも、楽しい。

「天ざるそば」

「天ざるそば」

「金次郎そば」

「金次郎そば」

「いもくし」

「いもくし」

「おしるこ」

「おしるこ」

正面が「そば処 報徳庵」、向かって右がお土産屋さん

正面が「そば処 報徳庵」、向かって右がお土産屋さん

お店オープンしてすぐ、座席が埋まっていきます!

お店オープンしてすぐ、座席が埋まっていきます!

お天気のいい日は縁側で食事することもできます
「そば処 報徳庵」とお土産屋の間に小川が流れています

店舗データ

そば処 報徳庵

【そば処 報徳庵】
住所:日光市瀬川383-1
URL:http://www.nikko-teuchisoba.org/tenpo_details.shtml
TEL:0288-21-4973
営業時間:11:00~16:00
定休日:無休
●東武日光線上今市駅から歩いて25分

その他の日光グルメ