日光の歴史を楽しんだり、温泉やグルメを堪能しながら観光名所を巡る日光の観光情報誌

[2014年1月 更新]

古き良き時代のクラシカル洋食を満喫する
日光の食の楽しみ方

明治~昭和初期からの老舗レストラン。最近話題の店。どちらも日光の飲食店のレベルはかなり高い。神橋界隈・中禅寺湖・鬼怒川温泉周辺にある、お味だけでなく外観・インテリアもパーフェクトなお店をよりすぐって、レトロ度の高い洋食をメインに紹介します!

古き良き時代のクラシカル洋食を満喫する日光の食の楽しみ方

明治・大正時代から受け継がれているメニューを
「日光金谷ホテル メインダイニングルーム」で

明治時代に、日光へ西洋文化を取り入れ、リードしてきた先駆者は間違いなく日光金谷ホテルだ。明治4年頃、アメリカ人宣教師ヘボン博士が日光を訪れたものの、外国人を受け入れる宿がなかった。そこで彼を自宅に招き入れたのが、当時東照宮の楽士を務めていた金谷善一郎だった。これがきっかけで、明治6年に自宅の一部を外国人向けに開放、「金谷・カッテージイン」として創業したのが、金谷ホテルの始まりだ。

創業当初は肉料理などは、お客様自身に調理してもらっていたらしいが、とにかく明治・大正・昭和初期の外国人の滞在は、夏の間の長逗留が基本。だから毎日お決まりのメニューを出すわけにはいかない。お客様の希望なども聞きながら、メニューを増やしていったのだろう。その当時の親方(料理長)が残したレシピが現在までいくつか残っていて、大正時代にクリームコロッケとしてフルコースの中に入れていたのが、「若鶏と蟹入りベシャメルコロッケ トマトソース」だ。

金谷ホテル創立130周年記念となる2004年、このメニューを掘り起こし、再現してランチメニューに入れることになった。名前もわかりやすく「大正コロッケット」とした。

コロッケットは野菜やキノコ類をいため、さらに衣をつけて揚げて作るが、カニとチキンが、それぞれのコロケットに入っていて、味の違いを楽しめるようになっている。昔と今の違いはもちろんある。大正時代には実は俵型に握って作っていたが、現在は型に入れて作るため、クリーミー度がぐっと増しているのだ。また実際は牛乳や生クリームなどでコクを出すものだが、当時は乳製品は手に入りにくかったので、コーヒーミルクを代用して作っていたといわれている。大正15年には、なんとか乳製品を手に入れたい、と畜産部を作り、ホテルで牛乳・バター・野菜を自給、たいへんな努力をしていたらしい。


ランチタイムで提供されるのはセットメニューなので、本日のスープ(この日はタピオカ入りコンソメスープ、地場の生野菜をメインに使った、フレッシュな盛り合わせサラダ、金谷ホテルベーカリーのパン、本日のデザート(この日は苺のアイスクリーム)、コーヒーが付いてくる。

この「大正コロッケット」は3500円。ほかにランチタイムではホテルの伝統的な料理のひとつ「虹鱒のソテー金谷風」がメインのコース3500円)を選ぶこともできる。

大正コロッケット。カニ、チキンのそれぞれの味が

金谷ホテルベーカリーのフレンチコッペとランゲブロード

本当の贅沢を知る大人が演出する空間で、最高のおもてなしを受ける
「鬼怒川金谷ホテル ダイニング JOHNKANAYA」

日光金谷ホテルの創業者・金谷善一郎の孫・ジョン・カナヤことジョン金谷鮮治が1978年に創業させたホテルが、鬼怒川金谷ホテルだ。

ジョンというのはクリスチャンとしての洗礼名で、れっきとした日本人だ。若いうちに欧米諸国を漫遊して、欧州の空気を存分に吸い、贅沢を知り尽くして帰国した彼は、まさに「ダンディ」そのものの紳士として育ったという。帰国後は一流ホテルで修行を積み、鬼怒川温泉ホテルの初代社長に就任した。

さらに1971年には当時駆け出しだった料理の鉄人・ムッシュ坂井宏行を初代料理長に抜擢、東京に西洋レストラン「西洋膳所ジョンカナヤ麻布」をオープンした。ジョンは「お箸で食べるフレンチ」という、当時では考えられなかった発想を坂井に提案、ムッシュ坂井の名を全国に轟かせるとともに、一流の味とサービスを提供、都会の粋人たちの間では伝説のレストランとなった。



鬼怒川金谷ホテルの着工後、ホテルの完成を見る前にジョン・カナヤは病気のため他界してしまうが、彼のスピリットは子孫に受け継がれ、彼の孫にあたる譲児が代表取締役社長に就任した2012年には大規模な改装を加えて、お客様に存分に贅沢を楽しんでもらえる現代の理想のホテルを今に甦らせた。



さて宿泊するお客様へのおもてなしを最優先に考えているため、あまり大きな声では宣伝していないが、ランチタイムはお食事のみのお客さんもお迎えしている。

メニューは金谷流懐石料理8400円~、ハンバーグランチ2800円、ビーフシチューランチ2800円の3種類。初めてホテルを訪れるなら、鬼怒川金谷ホテルで何十年も前から作り続けている、という伝説の和風ビーフシチューランチを選びたい。

こちらはとちぎ和牛と赤ワインを使って3日間以上煮込んで作るというもの。醤油ベースでまろやかでありながら、濃厚な味の仕上がりとなっている。オーソドックスなそれとは異なり、ごろりと大根が入っていることで優しい味になっている。



このビーフシチューに金谷ホテルベーカリーのブリオッシュトーストかライス、地場の野菜を使ったシーザードレッシング掛けのサラダ、オレンジシャーベット、コーヒー、そしてジョン・カナヤブランドのボンボンショコラが出される。

さらに1400円加えて、お食事の後に、当ホテル自慢の温泉大浴場に入ることも。
男性は樹齢二千年の古代檜が香る和クラシックな「古代檜の湯」と、女性は渓谷に面したモダンな石造りの「四季の湯」でゆっくりとくつろぎのひとときを過ごせる。

ただし各ランチセットは1日限定20食のみのお作り。また4日前までの予約も必要なので、その点だけ気をつけて。

目の前でぐつぐつと3分煮込み直して、アツアツのものをいただく!

JOHNKANAYAの特製ショコラボンボン。何種類もあるうちから、何の味が出されるかな?

このダイニングのために特注で作られた椅子とテーブルで、お食事をどうぞ

ふわふわのブリオッシュトーストパン

オリジナルイラスト入りコースター

オリジナルワイン

北米料理専門「山のレストラン」で
豪快な肉料理をエンジョイ!!

国定公園・霧降高原の山上に位置する、その名も「山のレストラン」は、東武鉄道日光駅からタクシーで10分ほど掛かるというアクセス状況なのに、お客さんが引きを切らない。紅葉のシーズンなど1時間待ちになることもあるという。なぜか。肉料理が非常にうまいのである。そして料理を楽しませる演出にもたけているのだ。

ここは、北米料理をメインにしたレストラン。いい素材を使ったシンプルな料理を、豪快に味わうことができるのがウリだ。通常の1.5~2倍はあろうかと思われる量の肉が出てきて、お客様を驚かせる。

この日出されたのは、ポークリブの和風グリル2310円。上質な国産豚肉の骨付きリブを400グラムほど使用したものだ。その肉を醤油、酒、みりん、ニンニクなど入れたたれにつけ込んだあと、グリルで焼く。大切なのはつけ込む時間だ。何度も試作を重ねて、季節や材料に合わせての時間をきっかりと決めた。これ以上早くても長くても、うまみを出すベストタイムはないのだという。

付け合わせのフライドポテトも肉に合わせて、アメリカ流に大きくざっくり切る。さらにカリフラワー、グリーンアスパラ、ブロッコリをさっと茹でたものを皿に盛る。

パンもお肉に負けずボリュームたっぷり。皮はパリパリで、中は全粒粉を使っているから、プチプチとした食感が味わえる。

姉妹店である「ステーキハウスみはし」、そして「山のレストラン」と合わせて25年シェフを勤める藤巻氏が最後に「フランス料理みたいに手間ひまを掛けて作る料理もいいのですが、僕は素材を生かして、さっと作り上げるのが好きなんですよね」と笑って話してくれた。素材のひとつひとつが味が濃く、手間を掛けなくても美味しい栃木県。藤巻氏のやり方は正解だと言えるだろう。

山の上に位置した、眺望絶景のレストランだ

ボリューム満点!のポークリブにお客さんは皆びっくり!

パンだって、まるごと出てくる!

本格的窯焼きピッツアの草分け的存在
「トラットリア・カミーノ」で気まぐれピッツァを

平成7年に、東武鉄道「鬼怒川温泉駅」から歩いて10分弱ほどの住宅街に突如、本格的窯焼きピッツァが提供されるイタリアンレストランとして「トラットリア カミーノ」が誕生した。以来ずっと人気を呼んでいる、ここのピッツァを実際食べてみるとしようか。

自慢のピッツァの種類は豊富だ。ごく普通に目にするマルゲリータ(チーズ、バジリコ、トマトのピッツァ)1000円から始まって、ペスカトーレ(魚介類のピッツァ)1000円、ビアンカ(ベーコンとホワイトソースのピッツァ)1000円、メランザーナ(なすのピッツァ)1000円、ひまわりのピッツァ1200円、えびのピッツァアメリカンソース1400円と若干変わり種が登場し、洋ナシのピッツァ1200円、バナナのピッツァ1400円などというデザートピッツァまでメニューに並んでいる。

この日は「気まぐれピッツァ」を気まぐれに頼んでみた。これはイタリアで修行してきたシェフいわく、ローマ風のもので、その日ある一番美味しい素材などを使ったピッツァなんだそう。カミーノではイタリア産のモッツァレラチーズをベースに卵、ロースハム、プチトマトを入れる。さらに季節によってアーティチョークやオリーブ、ブロッコリ、舞茸なども・・・。

待っている間、ピッツァが石窯で焼かれる様子を見るのも、なんとも楽しい。薪から上がる豪快な炎のゆらめきが、すっかり日常を忘れさせてくれるのだ。もちろん出来上がったピッツァのお味は、最高。わざわざここまで来てよかった、と思わずにはいられない。

ピッツァのほかには圧倒的にリピート率が高いのが、年間を通して「仔牛のカツレツ ミラノ風」1400円。冬場には牛ホホ肉の赤ワイン煮込み1300円もリピーターが多いのだそう。このほか霧降高原牛のサーロインステーキ バルサミコソース掛け(200グラム)2850円、温泉卵のカルボナーラ1100円なども大好評メニューだ。

鬼怒川温泉に来たら是非、住宅街を抜けてこのレストランに立ち寄ってみたい。お客さまをがっかりさせることは、絶対ないだろう。

窯から出てきたての、アツアツピッツァを召し上がれ!

気取らないけれど、あたたかで落ち着く一階のフロア

ピッツァを焼いている最中の窯!

今日の特別メニュー

いつまでも炎の動きをみつめてしまいそう

記事で紹介したグルメスポット

日光金谷ホテル メインダイニングルーム

「日光金谷ホテル メインダイニングルーム」

現在の地で純洋式の「金谷ホテル」を開業したのは、明治26年のこと。

鬼怒川金谷ホテル ダイニング JOHNKANAYA

「鬼怒川金谷ホテル ダイニング JOHNKANAYA」

以前の鬼怒川金谷ホテルのイメージは「旅館スタイル」だったが、2012年に大改装を行い、ホテルとして全く新しく生まれ変わった。

山のレストラン

「山のレストラン」

平成15年にオープンした「山のレストラン」は絶品料理のほか、絶景の眺めまで味わえるレストランだ。

トラットリア・カミーノ

「トラットリア・カミーノ」

ハートフルな窯で焼かれるピッツァや、本格的なイタリア料理を食べにやってくるお客さんはあとを絶たない。