会津の歴史を楽しんだり、温泉やグルメを堪能しながら観光名所を巡る会津の観光情報誌

[2014年5月 更新]

大正浪漫の香り漂う七日町通りを散策

七日町駅から東に走る七日町通りをブラリ散策。漆器店や絵ろうそくの店、酒蔵所やカフェなど、立ち寄る店もたくさん。趣深い佇まいの店ばかりで景観の素晴らしさでも人気が高い。

大正浪漫の香り漂う七日町通りを散策

七日町駅下車、駅カフェに立ち寄り

会津鉄道会津線の会津若松駅のひとつ手前が七日町(なぬかまち)駅。ここで降りて町散策をするのも楽しい。
駅から東へ通っている七日町通りは、会津五街道のうち、日光街道、越後街道、米沢街道という主要道路が通る城下の西の玄関口だった。料理屋や旅籠、問屋などがたくさん建ち並ぶ活気のある通りとして、会津一の繁華街といわれていた。
明治、大正時代を経て昭和30年代ごろまで賑わいがあったが、その後、衰退してしまう。そのせいか、古い建物がそのまま残されてしまった。
しかし近年、その佇まいが逆に評判となり、現在は大正浪漫を感じられる通りとして観光の名所となりつつあるのだ。

蔵のある和風の建物や洋風の建物があり、かわいい小物や漆器店、和菓子のお店などが軒を連ねている。お土産を探すのもいいし、カフェでひと休みするのも楽しいだろう。

七日町駅の構内にある「駅カフェ」でおいしい水出しコーヒーとシフォンケーキを食べてから出発するのもいい。
「駅カフェ」はカフェでもあるが、会津17市町村のこだわりの逸品を揃えたアンテナショップでもある。
名産品物販スペースや観光インフォメーションコーナー、企画展ギャラリーなどがある。売られている商品はすべて会津エリアで製造されたもの。
電車に乗る前にここでお土産を買って帰るのもいいだろう。

七日町駅。駅自体がレトロチック

七日町駅。駅自体がレトロチック

「駅カフェ」は七日町駅構内にある

「駅カフェ」は七日町駅構内にある

「駅カフェ」入口
会津木綿の製品も売っている
シフォンケーキと水出しコーヒーが人気
お洒落でかわいいカフェ

会津若松市歴史的景観指定建造物の連続

2000年の歴史に触れられる「渋川問屋」

駅を出て東へ向うと、大きなお屋敷のような建物が見えてくる。「渋川問屋」と書いてあるが問屋ではない。入口の外に料理のメニューが出ている。郷土料理が食べられる店だ。
歴史は古く、もともとは海産物問屋だったらしい。街道を通って海産物は渋川問屋に集まっていたのだろう。そして棒たら煮やにしんの山椒漬けなどが生み出されたようだ。
暖簾をくぐると、外観に負けない厳かな雰囲気の内観で、まるで明治時代に遡ってしまったかのような感覚に陥る。会津の郷土料理を歴史的建造物のなかで楽しむことができるのが嬉しい。
奥の別館は宿泊施設となっている。駅にも近いし雰囲気もいい。一度は泊まってみたい宿だ。

七日町通りの建物は、いくつかが会津若松市歴史的景観指定建造物となっている。当然ここ「渋川問屋」も認定されている。

先へ進むと、「長門屋」というお菓子屋さんがある。1848年創業でずっとお菓子作りを行ってきた店だ。駄菓子もあるので覗いてみよう。
隣は会津木綿を使った手作りの店「もめん絲」。反物などを売っている。木造の味わい深い建物が続く。
隣の「やまでら茶屋」はお休み処と書いてある。

その隣には「ほしばん絵ろうそく店」がある。

「渋川問屋」。立派なお屋敷

「渋川問屋」。立派なお屋敷

「渋川問屋」

「渋川問屋」

「長門屋」
「もめん絲」
「やまでら茶屋」

絵ろうそくの美しさに溜息

「ほしばん絵ろうそく店」は江戸時代から続く伝統工芸品の製造販売元。1772年に創業した会津絵ろうそくの元祖だ。絵ろうそくを手作り、手描きする技術を代々継承して、現在当主は9代目。
店内には綺麗な柄が描かれたろうそくが大小揃っている。どれも美しい。
工房があり、絵付け体験もできる。世界にひとつだけのオリジナル絵ろうそくをお土産にしたら、きっと喜ばれるに違いない。体験は要予約。

七日町通りには漆器店も多い。「関漆器店」は自社製品のほかに秋田で作られた曲げわっぱなども売っている。会津塗りの手塩皿は小さくてかわいいお皿。家に帰ってからこれで郷土料理のこづゆを食べたら、会津の旅の思い出が甦りそうだ。

さらに先には、「これこそが大正浪漫を感じさせる」と言いたくなるような建物がある。現在は「バンダイスポーツ」というスポーツ用品店だが、建物には大きく「店服呉原塚社會式株」とある。右から読むと「株式会社塚原呉服店」だ。以前は呉服屋さんだったようだ。とてもモダンな建物に見惚れてしまう。
もと塚原呉服店のビルはこの先にもある。こちらは第二営業所だったようだ。塚原呉服店の建物は、ひと言でいうと「カッコイイ」のだ。

「ほしばん絵ろうそく店」
美しい絵ろうそく
手描きで綺麗に仕上げるのは職人技
大きさもさまざまな絵ろうそく
「ほしばん絵ろうそく店」。絵ろうそく作りが体験できる
「腰かけてゆっくりやすまんしょ」
「関漆器店」
かわいい手塩皿
「バンダイスポーツ」の建物
塚原呉服店の第二営業所だった建物

会津の銘酒を堪能したい人は「鶴乃絵酒蔵」へ

塚原呉服店の第二営業所近くに、「鶴乃絵酒蔵」がある。
1794年創業の老舗酒蔵所だ。会津藩御用達頭取を務めた永宝屋一族で、いい米と水に恵まれ、厳しい冬がやってくる会津は酒造りに適しており、代々継承してきた味へのこだわりを守りつつ、丁寧に商品作りを行っている。
福島の米と福島県開発酵母などを使用し、1977年(昭和52年)に誕生した「会津中将(あいづちゅうじょう)」はすっきりとした味わいで食中酒に最適な逸品。店頭ではつねに試飲ができるので、自分好みのお酒を選ぼう。母子杜氏の手による優しい味の辛口「純米大吟醸 ゆりドレス」は瓶も綺麗で、お土産にぴったりだ。

七日町通りは、東から西へ歩いてもいい。景観を楽しみながらゆっくりと歩いてみよう。

「鶴乃絵酒蔵」

「鶴乃絵酒蔵」

生純米原酒の初しぼり「会津中将」と純米大吟醸「ゆり」
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