会津の歴史を楽しんだり、温泉やグルメを堪能しながら観光名所を巡る会津の観光情報誌

[2013年12月 更新]

湯野上温泉郷には天然記念物がたくさんある

湯野上温泉郷から近い「中山風穴」「塔のへつり」「大内宿」を紹介。いずれも長い歴史を経て誕生した、天然記念物や文化財だ。1泊すればすべてまわることができるぞ。

湯野上温泉郷には天然記念物がたくさんあるイメージ

湯野上温泉郷の自然を感じる

自然が作り出す驚異を目の当たりに!

湯野上温泉郷は特に繁華街や歓楽街があるわけでもない、静かな温泉街だ。
それだけに周囲には天然記念物も多い。

国指定天然記念物の「中山風穴」。
正式名称「中山風穴地特殊植物群落」は標高500~800mにあり、約200万年前に地下から現れた火成岩の隙間から冷たい風が吹き出ているという。
風穴(ふうけつ)と呼ばれる穴がいくつかあり、この一帯は夏でも気温が上がらないことから、この標高では見られないはずの多種類の高山植物が群生している。そのため国指定天然記念物となったのだ。

駅から歩くと40分近くかかる。中山風穴への入口からはアスファルトの坂道が続いている。
その途中に冷風体感施設「中山風穴倉庫跡」がある。
ここは昔、この冷気を利用して食物などを保存していた天然の冷蔵庫のようなものだったらしい。7×5.5mほどの広さに岩が積まれた場所へ入ると一気に冷気を感じられる。真夏でもひんやりとしているのは自然が作り出す不思議だ。

そこからさらに登ると看板がある。この先はウォーキングコースになっていて、6つの指定地に分けられている。細い道で木の階段状になっているところや土だけの坂道もあるので、降雨後のぬかるんでいる日は注意して歩こう。「熊に注意」の看板もたくさんある。

ウォーキングコースの途中にいくつかある風穴は意外に小さい。2~3人が立てる程度の広さだ。近づいてみると、確かに冷たい空気が感じられる。

コースには石柱の展望台や東屋があり、もっとも高いところにある展望台からは「塔のへつり」近くの赤い鉄橋も見える。

冷風体感施設。冷気で白くもやっている

小さな風穴がいくつかある。確かに冷風を感じる

展望台から小さく「塔のへつり」が見えた

ネギ1本で食べる蕎麦や土産物が並ぶ観光名所

湯野上温泉駅から約6kmのところにある「大内宿」は国の国選重要伝統的建造物郡保存地区に指定されている。江戸時代の町並みが残されている観光地だ。
会津若松と日光街道の今市とを結ぶ下野(しもつけ)街道の宿場町だったところで、かつては参勤交代の大名行列や旅人、行商人などが行き交っていた。明治時代になると国道121号線が開通し、この宿場町はひっそりと存在するだけになってしまったが、戦後再び注目を集め、さまざまな人の尽力によって貴重な文化財として保存されるようになった。
現在は約400mの長さで両脇に茅葺き屋根の古民家が軒を連ね、その景観はまるで江戸時代のよう。ただし、飲食、土産物屋、民宿などさまざまなお店が営業していて、観光客もたくさん来ている。観光最盛期は駐車場に入る車がズラリと並ぶほどだ。


入口から奥の突き当たりまで進むと、子安観音堂への階段がある。急な階段なので気をつけて昇ろう。上からは大内宿の町並み全景が望める。まさに絶好のビューポイントだ。

茅葺き屋根が連なる大内宿

湯野上温泉駅の隣は、無人駅の塔のへつり駅。ここにも国指定天然記念物がある。その名も、駅名そのまんま、「塔のへつり」だ。
へつりというのは方言で険しい崖のことを言い、その形が塔のように縦長になっていることから、“塔のへつり”と呼ばれるようになった。凝灰岩をはじめとした多種類の岩が互い違いに重なり、それぞれの浸食の度合いが異なることから不思議な景観を創りあげている。浸食によってこのような景観になるまでには100万年かかるともいわれている。
そのへつりは大川の対岸にあり、間近まで行けるように吊り橋が架かっている。
へつり側に渡ると、浸食された断崖の道を歩くこともできるし、昔からあった自然崇拝的な信仰から造られた菩薩像や神社などを見ることもできる。

吊り橋の手前にはお食事処や土産物屋もたくさんある。マムシ酒にされる前の生きたマムシも陳列されている。

無人の塔のへつり駅から徒歩約3分で「塔のへつり」へ行ける