会津の歴史を楽しんだり、温泉やグルメを堪能しながら観光名所を巡る会津の観光情報誌

[2013年8月 更新]

その他の会津グルメ

大内宿の「高遠そば」「鶏せいろ飯」「イワナの塩焼き」、南会津町の「しんごろう」「まんじゅうの天ぷら」、只見町の「どぶろく ぶなの泉」「お平」といった南会津各地の郷土料理を紹介。

「高遠そば(通称:ねぎ蕎麦)」三澤屋

南会津町の大内宿

南会津の観光地のひとつとして知られる、「大内宿(おおうちじゅく)」。
会津鉄道会津線の湯野上温泉駅から約6kmなので、歩けなくもない。しかし上り坂になるのでハイキング目的じゃなければタクシーを使うのがいいだろう。車ならば約15分で到着する。

会津若松と日光街道の今市を結ぶ下野(しもつけ)街道の宿場町だったところで、江戸時代は参勤交代の大名行列や行商人などが行き交い、旅の疲れを癒していた場所だ。
明治に入り、宿場町は活気が薄れていったが、戦後ふたたび注目を集めた。江戸時代を再現したような町並みを再生し、貴重な文化財として保存され、現在はさまざまなお店が営業して、多くの観光客で賑わうスポットとなっている。

大内宿。茅葺き屋根の民家(お店)が並ぶ

「三澤屋」。元祖ねぎ蕎麦のお店として知られる

「三澤屋」の元祖ねぎ蕎麦

入口近くの「三澤屋」では、箸の代わりに太いネギ1本で食べる、通称ねぎ蕎麦がある。正式には「高遠(たかとお)そば」という。
二代目将軍徳川秀忠の三男が信州高遠藩で育ち、のちに会津藩主となって以来、この名で呼ばれるようになった。
「三澤屋」のねぎ蕎麦は水をいっさい使わず、大根のおろし汁だけで作られた蕎麦つゆも特徴。
ネギで蕎麦を掬って食べるのは、思っていた以上に食べやすい。薬味としてネギをかじってもいいのだが、あまりかじり過ぎると短くなってしまうので注意。
辛みのあるネギと大根のおろし汁、かつお節という素材それぞれが主張する味は「三澤屋」ならでは。
もちろん蕎麦自体もおいしい。

「高遠そば」(1050円)。ネギが1本刺さっている

店舗データ

【三澤屋】
住所:福島県南会津郡下郷町大内字山本26-1
URL:http://www.misawaya.jp/
TEL:0241-68-2927
営業時間:9:30~17:00

「鶏せいろ飯、イワナの塩焼き」分家玉屋

大内宿「三澤屋」の近くある「分家玉屋」にも名物メニューがある。
「鶏せいろ飯」だ。
かまどで炊いたご飯に、じっくりと煮込んで柔らかくなった鶏肉に特製のタレをかけ、たっぷりのネギを乗せたもの。
混ぜて食べるのがおすすめだ。

「分家玉屋」にはスイーツも揃っている。クレームブリュレやチーズケーキ、いちじくショコラ、各種パフェなどがあり、女の子同士のお客さんにも人気が高い。

イワナの塩焼きも大内宿名物だ。
「分家玉屋」以外のお店でもたくさん売られている。メニューには、「腹に味噌を詰めて炭火でじっくり焼き上げます」と書かれていた。

大内宿のお店ではほかに、会津名物のじゅうねん味噌をつけたお団子などが炭火で焼かれている。この団子はしんごろうと呼ばれる南会津の郷土料理だ。
じゅうねんというのは、別名エゴマ。エゴマ油などはとても身体にいいといわれている。

「鶏せいろ飯」(1050円)。鶏はもちろん、ご飯のおいしさも格別

「イワナの塩焼き」(525円)。炭火でじっくりと焼かれる

店舗データ

住所:福島県南会津郡下郷町大内権現上358
TEL:0241-68-2948
営業時間:10:30~16:00

「しんごろう、まんじゅうの天ぷら」山王茶屋

炭火であぶる団子、しんごろう

しんごろうは南会津に伝わる郷土料理で、半つきにしたうるち米を丸めて串に刺し、じゅうねん味噌(味噌とすり潰したエゴマ、砂糖、酒を混ぜたもの)を塗って、囲炉裏で焼いたもの。
貧乏で正月にお供えする餅をつくことができなかった新五郎が、もち米の代わりにうるち米やくず米を用いて作ったところ、それがとてもおいしいと近所で評判となり、南会津に広まったといわれている。

炭火でこんがりとあぶられたじゅうねん味噌が香ばしく、噛めばなかから米の甘みが広がる滋味深さ。縄文後期から会津地方で栽培されているエゴマがすり込まれたじゅうねん味噌と、米どころ南会津の米がひとつになった、地元の味が凝縮された郷土の逸品だ。

しんごろうと一緒に作る習慣があるという「くじら汁」とのセットが人気。「しんごろうセット」(600円)

まんじゅうの天ぷらはおかず

まんじゅうの天ぷらは、餡入りのまんじゅうを衣にくぐらせ揚げたもので、会津地方に伝わる伝統食のひとつ。
会津地方では、昔から仏壇に供えられて古くなったまんじゅうを、安全のため天ぷらにして食べる習慣があり、これが現在でも受け継がれている。

まんじゅうの天ぷらを食べる地域は他にもあるが、会津地方の特色は、そばにのせたり、魚や野菜などの天ぷらと盛合せで出されたり、おかずとして捉えられていること。地元では、天つゆや醤油につけて食べる。衣のサクッとした食感としょっぱい味のあとに、揚げて温かくなった上品な甘さの餡が追いかけてくる。この組み合わせがクセになるというリピーターも多い。ぜひ揚げたてをご賞味あれ。

「しんごろう」と「まんじゅうの天ぷら」は、会津鉄道会津線の会津山村道場駅から徒歩約15分、郷土料理を提供する「古民家れすとらん 山王茶屋」で食べることができる。

醤油をつけて、会津ならではの味を楽しもう。1個100円

店舗データ

住所:福島県南会津郡南会津町意図沢字西沢山3692-20
URL:http://sayurinosato.co.jp/sanno/
TEL:0241-66-3888
営業時間:10:30~16:00(ラストオーダー:15:30)月曜休

「どぶろく『ぶなの泉』」民宿 やまかのうや

只見町は2006年11月、農家などが特区内の醸造所で自家産米で仕込んだどぶろくを醸造、販売できる“どぶろく特区”の認定を受けた。これは地域経済の活性化を目的とした規制緩和策として導入された構造改革特区のひとつとのことだ。

只見町の入叶津(いりかのうづ)で米づくりをする佐藤泉太さんは、特区となった2006年から醸造をはじめた、地区唯一のどぶろく醸造販売者。
佐藤さんが営む「民宿 やまかのうや」の名物でもある「ぶなの泉」は、自家製米のひとめぼれと麹を昔ながらの製法で発酵、熟成させ、只見町が誇るブナの原生林に抱かれた名水を融合させた生のどぶろく。
フルーティで芳醇な味わいとスッキリとした飲み口が評判で、酒好きはもちろん、女性からも強い支持を得ているという。
辛口と甘口があるので、飲み比べもおすすめ。冷蔵庫でよく冷やし、振ってかき混ぜるのがどぶろくのおいしい飲み方だ。ジュースや炭酸水で割るのもいい。

「ぶなの泉」は「民宿 やまかのうや」で購入できるが、品切れの場合もあるので事前に予約しておくと安心。

「泉太のどぶろく「ぶなの泉」(甘口・辛口)
360ml(2合)800円
720ml(4合)1500円
720ml(4合瓶)1600円

どぶろくは「生もの」。発酵が進むと酸味が増すなど味に変化が生じ、度数も高くなる。保存の際は冷凍しよう

店舗データ

住所:福島県南会津郡只見町大字叶津字入叶津28
TEL:0241-82-3400

「お平(ひら)」只見町の郷土料理

祝い膳としての郷土料理

豪雪地の只見町など奥会津に古くから伝わる郷土料理で、冠婚葬祭、大晦日や正月、おもてなしの際などの祝い膳として食されてきた。会津塗りの平椀「おひら」でいただくことから、この名がついたといわれている。

お椀の具材は、土の幸(山芋やゴボウ、油揚げ)、山の幸(舞茸)、川の幸(アカハラ)、海の幸(昆布)など。盛り付けの順序にはルールがあり、器のいちばん下に土の食材、その上に海の食材、手前には川の食材、そして一番上に山の食材で、椀に蓋をする。ほかにも、具材の数を奇数にするなど、地域や家庭によって、それぞれのルールやこだわりもあるようだ。

川魚アカハラが減少し、貴重に

冬になると雪で孤立していた昔の只見町では、冬の食材といえば乾物や保存食が中心だった。そんな中、山や川、海や土それぞれの幸がいただける、この「お平」は大変なごちそうだったという。
奥会津の山里に受け継がれてきた素朴で奥深い味わいの「お平」は、只見町の旅館や民宿、食事処で食べることができる。ただし、最近「お平」に欠かせない川魚のアカハラ(出汁としても使われている)が減少しているため、事前予約が必要。只見町観光まちづくり協会では、予約受付店を教えてくれるので、問い合わせをしてから出かけよう。

店舗データ

只見町観光まちづくり協会
住所:福島県南会津郡只見町只見字上ノ原1828 JR只見駅内
URL:http://www.tadami-net.com/
TEL:0241-82-5250